テラーノベル
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プロローグ
三人で囲むテーブル。静かなリビング。暗い顔。2人きり。
呪われている。
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外に出てはいけない。
「やっほー!」
杏美君に挨拶をする。
「明日テストだね〜」
「マジかよ〜。最悪すぎ。テスト自信ねぇ〜。」
「ふふっ。自己責任だよー。」
「わーらーうーなー」
「はいはい。」
熱くてジメジメする。
あまり気分は良くない。
貴方は話してくれない。
つまらない授業を乗り越え、
苦く不味い給食を食べ終わり、
杏美君の違和感には気付いている。まだ何か悩んでいるはず。分かる。笑顔、話し方、あと記憶がない。
おかしい。
前までは僕に悩みを打ち明けたのに。もう、要らなくなった?嫌いになった?元から不必要だった?しつこかった?ウザかった?どうして?
僕の名前を呼んで……
キーンコーンカーンコーン
「あ…」
しまった。授業の話を全く聞いていなかった。
「あ、え…」
理由も無く涙が溢れ落ちる。誤魔化そうとして顔をうずくめる。
あれだ、感情失禁かも、
『一緒に頑張ろう?どうにかなる。』
「どうしたんだ?」
「う、うわああぁ!あ、何でもない。」
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下校時間になり、帰る。
家に着く。
暗い家に入る。静かで殺風景だ。
ガチャ
お父さんだろう。
「ただいま。」
ガサゴソとビニール袋からコンビニのご飯を取り出す。
「いただきます。」
苦い。
「お父さん…」
「…なんだ?」
久しぶりに目が合う
「そろそろ普通の生活に戻ってもいいんじゃない?」
「無理だ。絶対に無理だ!!!俺には出来ない!!!」
お父さんが顔を真っ赤にして2階へ上がる。
目の前にあるのは残ったお父さんのご飯だけ。
やっぱりそう言うと思っていた。
昔はこんなんだっけ。あまり覚えていない。
(僕は…)
こんなんじゃ……..
「あーあ。」
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甘ったるい雨の匂い。嫌いじゃない。
「おいで〜!」
公園の真ん中にお母さんの姿。
「ままぁー」
僕は一生懸命お母さんの所へ行く。お父さんが後ろから優しく見守っている。
「ままー!」
お母さんのお腹に抱きつく。
温かい。
「へへっ」
「…ぅわああ!」
手に持ったお花をお母さんに渡そうとするが、虫が乗っていた。
「みつばちさんだね〜」
お母さんがひょいとお花を手に取る。
「わ、ふわふわぁ。へへ、かわいい!」
「そうだね〜。」
数分経ち、家に帰る事にする。
「ちょっともっといて。」
僕はお花に夢中で隣を歩く。
「危ないーー」
ドシャッ
一瞬だった。
目の前には飛び出した目、流れていく血。肉からは骨が飛び出している。僕の手にあったシロツメクサは、紅く染まっていた。僕の膝や手には、ただのかすり傷だけ。
キーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
耳鳴りがする。何も考えられない。
お母さんのお腹らしき所に抱きつく。
冷たい。
危ない、の後、僕の名前を呼んでくれたっけ。
中宮、って。
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全て、僕のせいだ。
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僕が死ねば良いんだ
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お前らばっかり救われやがって。
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いつか殺してやる。
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「ッ!!」
駄目だ。僕が救いたかったから救ったんだ。
でも、
でも、
「恩返ししてほしいなぁ〜。」
いや、駄目だ自分の不注意でお母さんを殺してしまったんだ。
殺される側だと言うのに。
残ったご飯を口にほうばり、カーテンと窓を開ける。無理やり口角を上げ、テレビで音楽を流す。
「さて、掃除しないと…」
こんな所で壊れちゃ駄目だ。
駄目だ。
「〜♪…。」
助けないと…
助けないと!!
助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと助けないと!!!
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何も出来ない。
してはいけない?
居てはいけない?
邪魔だった?
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何も………..出来ない。
「うッ」
ドコッ
「このッこの役立たずが!」
掃除機の電源を付けたまま床に倒れ込む。
何もやる気が起きない。
笑えない。
泣けない。
歩けない。
動けない。
怒れない。
息が浅くなる。
カッターに手を伸ばす。
切らないと。
(カッターは初めてかも、
ちょっと怖いな)
腕にカッターの刃を付ける。
スーー
(あれ?切れにくいな、)
ス、ス-
(怖いな、初めてだな、リスカなんて、紙で指が切れる感じ?シュッてやれば良いかな、)
シュッ…
目ではあまり見えない傷から水滴の様な形の血が出てくる。ジワジワと。その血の美しさに、体が震える程興奮する。
「綺麗、」
シュッ
シュッ
シュッ
シュッ
クセになる。傷は浅いけど。
たいしてそこまで悩んでもいないのに、ほんとに悩んでない。しかも勇気すらない。何でこんな事をしているんだろうか、にしても、綺麗だな、バレたらどうしよう。
「………….」
「やべっ!」(小声)
どうしよう。気持ち悪いって言われちゃう!明日は長袖で行く?血が染みるか、そう、だ!包帯がある、言い訳は、
「うちの猫が引っ掻いた。」
でも、見られたら終わりだ!!とりあえずそれでいいか、
「ホッ」
シュッ
シュッ
シュッ
そんなに悩んでもないのに、本当に。
罪悪感が、
「うーん…」
良くないな。
あれ?
自分は一体何に悩んでいるんだ
お母さんの事も、思い出せば悲し…..?幼少期の頃のことはあまり覚えていない。思い出も、声も、愛おしさも。
ああ、なんて最低な人間になってしまったんだろうか。
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朝目が覚める。
学校に行こう。
「おーーい!!!」
振り返ると目に前には杏美君の顔。
「てか、その包帯どしたん。」
「…あー!それ?うちのニャン太っぴが引っ掻いたw」
無理やり口角を上げる。目が、笑えない。
「マジ?怖え…」
「あーあ。今日英語のテストだぁ~〜。最悪。」
杏美君が後ろから抱きついてくる。
「ッッッッ!どいて!」
杏美の体を突き離す。
「え、あ、ご、ごめん….?」
ああ、あ、ぁ…..
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パンパンッ
お母さんが椅子に座り、太ももをパシパシと叩いてこっちを見ている。
「おいで〜。」
僕はひょいと太ももの上に乗った。
そして、後ろから
「ギュ〜〜!!」
っと、お母さんに抱きしめられる。
安心する。
あぁ。やっぱ、僕のせいだ、
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涙が滲む。
駄目だ、溢れてしまう。我慢しないと、いけないのに、
「う”、うぅ、」
溢れる、
「ど、どうした?!」
零れる。
「中宮??」
「中宮、どうした?何かあったのか?」
泣いてしまったにはしょうがない。
話そう。
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「そっっか….」
言うんじゃ無かった、
ぎゅっ
「え、」
そっと杏美君が抱きしめてくれる。
「頑張ったな。」
あ、…あ、あ。
今までの、気持ちが、毀れていく。
「あ、あ”、…」
「う、…」
「あずみくん、」
優しい目線で見つめてくる。涙がもっと、もっと、増え続ける。
「ないて、いい…?」
「いいよ。当たりめぇじゃん。」
やっぱ、優しいな、君は。
本当に、
「憧れるよ。」(ボソッ)
幸せだ。
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コメント
1件
このエピソード、すごく重かったけど引き込まれました。主人公の「お母さんを♡♡♡たのは自分だ」という罪悪感と、それでも「助けないと」と自分を騙すように動く姿が胸に刺さりました。特に母親の事故の描写——温かい記憶から一瞬で冷たい現実に切り替わる構成が鮮烈で、読み手の感情も一緒に揺さぶられます。杏美君の「頑張ったな」の一言が、どれだけ救いになっているか。この先、どうなっていくのか気になります。
#CP要素あり
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