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### 第8章 さて、部屋に入ろう
配管室で江島龍は重い足音を感知した。消毒液の匂いが濃厚に漂い、五階の階段プラットフォームに接近する。
「あら、ここに隠れてたのね!」
ドアを斬り裂く音が轟く。バン!バン! 防犯ドアが真っ二つに割れた。江島の瞼が痙攣した。現状の力では、この鬼に一撃も耐えられまい。
女鬼が502号室を捜索するが、人影はない。「キャハハ!ずるいわね……絶対に答えを聞き出すわ!」 階段を駆け下りる音が遠ざかる。
配管室で密着していた二人が息を吐いた。神宮寺鈴は危機が去った安堵で、江島は勃起を抑えるのに必死だった。
「陰陽庁第七課・神宮寺鈴。霊災専門家よ」鈴が手を離すと、暗闇で頬が微かに赤らんだ。「礼は要らないわ。あなたの命は私が守る」
扉を開けると、貼られていた符が灰に燃え尽きた。その瞬間、四階から五階への暗い踊り場で、血塗れの女がのぞき込んでいた。顔面は崩壊し、眼球が頬肉に埋もれている。
「私……美しい?」
鈴が即座に金光符を発動。「天地玄宗、万気根元。広劫を修め、神通を証す!」 朱文字が輝き、女鬼の包丁を弾き飛ばした。
「凄い」江島が感嘆する間もなく、鈴が壁に押し付けられる。「くっ……鬼気が傷口を侵食して……」
女鬼が再び襲来。「ねえ……私のこと……美しい?」
江島は女鬼の手首を掴んだ。「美人だよ。さぁ、部屋に入ろ!」
《鬼オーラ+10》
女鬼が呆然とする中、江島は熱烈なまなざしで迫る。「君の美しさを深く知りたいんだ」
《鬼オーラ+20》
鈴が目を丸くしている隙に、江島は女鬼を壁際に追い詰める。「恥ずかしがるなんて……」
《鬼オーラ+30》
女鬼が逆に江島を押し倒す。「私と同じ姿になって……!」
「化妖カード発動――紅蟒精!」
江島の筋肉が鎧のように膨張し、皮膚が鋼鉄化する。《神通「妖蟒巨力」獲得》
「整形手術の提案だ」江島が女鬼の顎を掴む。「首から上を切断すれば、容貌の悩みは消える」
《鬼オーラ+30》
包丁が閃く。江島は鬼の手首を握り潰し、逆に刃を振るう。
ゴトン。首が転がり、女鬼の身体が灰に崩れる。