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カメ吉
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ナノハナ@カンヒューズ
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カメ吉
643
アイテム番号: SCP-7523-JPオブジェクトクラス: Safe
「騒音ピアノ。又は、近所迷惑ピアノ。」
特別収容プロトコル
SCP-7523-JPは、サイト-81██の標準低脅威物品収容室に設置されます。収容室の全壁面、天井、および床面には、周囲への騒音被害を防ぐため、厚さ30cm以上の商業用最高グレードの防音材および吸音パネルが施工されます。
SCP-7523-JPは軽微な知性(または独自の意思)を有していると推測されるため、実験時を除き、職員が不用意に鍵盤や本体に接触することは禁止されます。
衛生維持およびオブジェクトの機嫌を損ねないため、週に1回、Dクラス職員による本体の乾拭きおよび内部の埃の清掃(定期掃除)を行ってください。ただし、「調律(音合わせ)」の試みはすべて失敗し、オブジェクトの激しい拒絶工作(後述)を招くため、現在は厳重に禁止されています。
説明
SCP-7523-JPは、製造元および以前の所有者が一切不明の、ひどく老朽化した黒塗りのグランドピアノです。
本体の木材は一部が腐食しており、内部の弦は錆びつき、フェルトハンマーも摩耗しているため、楽器としての保存状態は極めて劣悪です。
SCP-7523-JPの最大の特徴は、毎日午前01:00から04:30の間のランダムな時刻において、外部からの動力を一切伴わずに、鍵盤およびペダルが自律的に駆動して超高難易度のピアノ楽曲をフルボリュームで演奏し始めるという特性です。
演奏される楽曲は主に以下の通りです。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:『ピアノソナタ第14番(月光)第3楽章』
フランツ・リスト:『パガニーニによる大練習曲第3番(ラ・カンパネラ)』
フレデリック・ショパン:『幻想即興曲』
Sheet Music Boss:『Rush E』(※ネット上で「人間には演奏不可能」とされる超高速連打曲)
各楽曲の演奏技術自体は、世界最高峰のピアニストをも凌駕する極めて正確なものですが、SCP-7323-JP本体が「壊滅的に調律されていない(ピッチが完全に狂っており、いくつかの鍵盤からは不協和音や濁った金属音しか出ない)」状態であるため、奏でられるメロディは聴いた人間に凄まじい精神的ストレス(主に強烈な不快感、偏頭痛、苛立ち)をもたらします。
補遺: 意思の確認と「調律」の拒絶について
財団の音楽専門の研究員が、あまりの騒音と不協和音に耐えかねてSCP-7523-JPの調律(チューニング)を試みた際、オブジェクトは明確な「拒絶の意思」を示しました。
調律師が調律工具を持って接近した瞬間、SCP-7523-JPの鍵盤蓋が凄まじい速度で「バターン!!」と閉まり、調律師の指を挟もうと攻撃を行いました。さらに、無理やり内部の弦を調節しようとすると、ペダルが激しく上下に自律連打され、収容室内のマイクを通じて「Rush E」の超高速地帯をさらに倍速にしたような、耳を突き刺すような激しい打撃音を鳴らして人間を威嚇します。
このことから、本オブジェクトは「自分がボロボロの音色のまま、激しい曲を狂ったように弾き鳴らすこと」にアイデンティティやこだわりを持っているものとみられています。
補遺2: サイト-81██の夜間音声ログ
録音場所: サイト-81██・地下3階廊下(防音扉の外側)
登場人物: エージェント・██、██博士
(遠くから防音壁を突き抜けてドコドコドコドコ!!という凄まじいピアノの連打音が響いてくる)
エージェント・██: 「……博士。また始まりましたよ、地下の『Rush E』。防音壁突き破って重低音がここまで響いてるんですけど」
██博士: 「ああ、今夜は一段とノリノリだな……。よりによって一番弦のサビがひどい『ミ』と『ラ』の音を高速連打するパートだから、音が狂いすぎてて頭が痛くなってくる」
エージェント・██: 「っていうか、あいつ昨日一晩中『ラ・カンパネラ』弾いてましたよね? 音程が外れたカンパネラほど精神に有害なものはないですよ。呪いのビデオ観る方がまだマシです」
██博士: 「言うな。先週、業を煮やしたクレフ博士が『ショットガンで調律してやる』って部屋に殴り込みにいったんだが、あいつ、クレフが入ってきた瞬間にもの凄い不協和音の爆音で『運命』のジャジャジャジャーンを鳴らしてクレフの鼓膜を一時的に破壊したからな。それ以来、誰も触れないんだ」
エージェント・██: 「意思が強すぎるだろあのピアノ……。あ、音が止まった。次は……ショパンですか。やっぱり絶望的に音程狂ってますね……寝ます……」
コメント
1件
いやもうこのピアノ、最高に可愛くないですか?「壊滅的に調律されていない」状態でラ・カンパネラを爆音再生するとか、迷惑すぎるけど個性が強すぎて笑っちゃいました。クレフ博士がショットガンで調律しに行くシーン、めっちゃ好きです。意思を持ったピアノにそこまでやらせるオレンジさんの発想力、尊敬します。次回も楽しみにしてます!