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umaimon
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スケルトンダンジョンでのボス戦を終えて、四日が経ちました。
この四日間はダンジョンにも行かず、安静に過ごしていた。
ボス戦(+アイテム回収)での無理が祟ったようで、とても戦闘ができる状態ではなかった。
特に右足部分が、魔法を受けた時の負傷(打撲)状態で無理して動いたせいで、炎症が悪化したようなのだ。
【痛み耐性】に頼った無理な行動は控えるべきだと身に染みて感じた。
まあ、その間何もせずに過ごしていたわけではなく、
まだまだ終わらない鑑定作業、新たな検証作業と考察。
そして、この前のボス戦に関する振り返りを行っていた。
***********
ボスの副葬品として入手した新たなアイテム、【仮面】と【指輪】。
どちらも無個性でパッとしない見た目だが、効果は大変ユニークなものだった。
【仮面】の効果は、「容貌の複製と加工」
この【仮面】は装着した者の顔を写し取り、精巧な「フェイスマスク」に変化する。また、写し取った「顔」は加工することができる。
おそらくこの【仮面】は顔面を欠損した場合などに用いる「義顔」だと思われる。五層目のスケルトンに共通する副葬品はどれも義肢装具の類だった。
いくつもの「顔」をストックしておけるようなので、とりあえず自分の顔は保存しておいた。これで顔が吹き飛んでも大丈夫だな。ガハハハ。
それだけではないのが、流石は魔法のアイテム。性能も用途も計り知れない。
なんと死者の顔すら「復元」したのだ。正確に言えば、頭蓋骨から生前の顔を蘇らせることが出来た。
試しで復元した「顔」は【ダンジョン踏破の証】のトロフィーに使われている頭蓋骨だ。生前の容貌は中性的な美形だった。
骨格からの予測か、それとも魔法的な何かか。
しかも複製した容貌が自分の顔と全く異なっても、仮面を被ると馴染む。変装し放題だ。この性能、もしかしたら顔認証も突破できるかもしれない。
【指輪】の効果は、「既存の指輪のコピー」だ。
驚くことに、指輪の見た目だけでなく、その指輪がもつ「効果」までコピーできる。
試しに【鑑定の指輪】をコピーすると、コピーしたこの【指輪】でスキルを使うことが出来るようになった。
残念ながらストックできる枠が5つしかないため、すべての指輪をこの一つにまとめることはできない。
だが強力な効果には変わりない。貴重な効果を持った指輪が出れば重宝するだろう。
鑑定で名前が判明していないため、この二つは
【仮称:複製の仮面】と【仮称:複製の指輪】とした。
【仮称:複製の仮面】には何も保存されていなかったが、
【仮称:複製の指輪】には4つの指輪がすでに保存されていた。
入っていた指輪は、
【ダンジョン踏破の証】の手がしていたのと同じ「氏族の紋章が刻まれた指輪」三種と、
武器が刻まれていない「植物だけの紋章の指輪」
の合計四つだった。
ここでも弓氏族がはぶられてる...
ちなみに、この【氏族の紋章の指輪】どうやら【印象】としての機能もあるようだ。
これは...
**********
話変わって、ボス戦の振り返り。
まず思い出すのは、ボス戦前、扉にはめたクレストのことだ。
あの時私は、中央に剣・槍・魔のクレストをはめ、下部に弓のクレストをはめた。
それまでの考察からして、弓だけが異質に思えたからだ。
この選択が正解だったのか、そもそも正解があるのかは、いまだに分からない。
だが、ボス戦を通して分かったのは。
弓で挑んで正解だったということだ。
第一形態、剣では勝ち目のないように思えた相手でも、遠距離戦ではそうでもなかった。
決着を急いで、半ば捨て身の攻撃を行ったものの、弓と魔法の打ち合いに関しては互角、いや、こちらが優勢だった。
結果的に、矢を剣で切り飛ばされ「膠着」と表現したが、相手に魔法を打たせず、こちらが一方的に攻撃する状況が続いていたとも言える。
もう少しこちらの【弓】スキルのレベルが高かったら。もっといえば、特殊な鏃を、例の1つに限らずふんだんに使っていたら、勝負はもっと一方的だったのかもしれない。
第二形態はもっと露骨だ。
長い腕と魔法による遠くから攻撃。その代わりに的は大きく、隙も多い。
魔法を詠唱していた頭蓋骨なんか、当ててくださいと言わんばかりだった。
逆に、あれ相手に近接戦を挑むのは難しかっただろう。
複数の長い腕による攻撃をかいくぐり、角度的に真上から降り注ぐ魔法に対処しなければならない。
戦っている最中は気づかなかったが、今振り返ってみればボス戦自体が「弓」を用いるのが前提となっていたように感じる。
そこから一つの仮説を考えた。
あの扉の中央にはめたクレストの氏族(剣・槍・魔法)を相手に、
下部にはめたクレスト(弓氏族)で戦うという構造のボスだったのではないだろうか?
第二形態が分かりやすい例だ。
今回私は「剣・槍・魔法」を用いる怪物相手に、「弓」を用いて戦った。
扉に刻まれていたダンジョン文字を思い出す。
『氏族』『代表』
『コミュニティ』『歪み』『証』『戦う』
この文章の下に弓氏族のクレストをはめたわけだ。
その結果、
<弓>『氏族』の『代表』として
(『コミュニティ』『歪み』『証』)と『戦う』。
という意味の文章だったのではないだろうか。
ボスとは『コミュニティ・歪み・証』ということだ。
では、その「ボス」は一体何者なのか。
見当は大体ついた。
「ボス」が生前に使っていたであろうアイテム【仮称:複製の指輪】。
その中には三つの氏族を表す【印】と、コミュニティ全体の象徴とも言える「植物の紋章」の【印】が入っていた。
これらの【印】は権威の象徴とも言える。
「正当性の証」である場合もあるし、これを失えば「権力の失墜」とも捉われかねないものだ。
実際、これまで副葬品の中には、指輪や貴重なアイテムなどは数あれど、【氏族の紋章の指輪】や【印】はなかったのだ。
あらためてこれらの【氏族の紋章の印】が押されている資料を探してみると、数が少ないながら、強力な命令を下す際や、祭事などの特別な書類に限って使われていたことが分かった。
・・・さらに言えば、これが【仮称:複製の指輪】によってコピーされているというのもきな臭いが。
とにかく
これらを保有していたスケルトンダンジョンのボスは、
「コミュニティのトップもしくはそれに近しい人物」
だったと思われる。
要するに、
私は単に
「スケルトンダンジョンのボス」
を倒したのではなく、
今まで調べてきたこの文明の
「コミュニティのトップ」
を倒した
というわけだ。
ふむ...なるほど。辻褄はあっている。かな?
なんとなく味気ないがこんなところだろう。
____________
次話が「スケルトンダンジョン攻略編」最終話です。
コメント
1件
一気に話が深まった回だったなあ…! まず仮面と指輪のアイテム性能がヤバすぎる。特に指輪の効果コピーは今後の展開がめっちゃ気になるし、保存されてた4つの指輪からボスの正体に迫る考察パートが熱すぎる。弓氏族だけはぶられてるの、草。 んで、ボス戦の振り返りで「弓で挑んで正解だった」って確信に至る流れ、伏線回収のカタルシスが半端なかった。ここまで読んできた甲斐があったわ。次回が最終話ってことで、どう決着つけるのか楽しみすぎる🔥