僕はふと、やることを思いついた。
赤くなった目を擦りながら立ち上がり、物を取りに行った。
メルはどこかへ行く僕を一瞬見たが、何かを察したのか、嬉しそうにまた実験に取りかかった。
僕は作業を始める。
「 その作業、いつ終わる? 」
「 1時間後には 」
「 分かった 」
メルは黒い塊のようなものを薬に放り込んで飲んだ。
「 それは、なんだ 」
「 今飲んだやつの事か… 」
「 これを飲むと、精神が安定するんだよ 」
メルは僕を見ず、残った塊を見つめながらそう言った。
僕は準備が整い、メルの方を見た。
「 メル 」
「 …なに? 」
「 これが、僕の答えだ 」
僕は持っていた物に火をつける。
「 …そっか 」
「 ありがとう 」
少しして、鉱山は崩れた。
最後に見た君は、笑顔だった。
その後、僕は鉱山から出た。
「 幽霊って、本当に実在したんだね 」
彼女は姿を変えて立っていた。
「 ここは、どこだろう 」
彼女は、暗く、変わり果てている周りを見渡した。
「 何も、思い出せない 」
「 けど、私は誰かといた気がする 」
「 その人に会えば、何かわかるかもしれない 」
「 探さなきゃ 」
彼女は外に向かって歩き始めた。
彼女を焼き殺し、生存した者を探すために。
「 僕と君。 」 完結
次回、解説します。
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