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本田椿目線です
ーーーーーーーキリトリーーーーーーー✂︎
『君、誰?』
そう言ってきたのはこちら側のイタリアでした。
完璧に演じきったはずなのに。
昨晩、私はこちら側の日本の体を乗っ取ってやりました。
私の演技は完璧なはず、
だって鏡越しにずっと見てきたから。
朝、私は世界会議が行われるアメリカへ来ました。
こちら側の日本は絶対に遅刻はしていなかった。
そう思い私も早めに来てみました。
「やはりですが、平和ですね」
私がいた裏の世界とはまるで違う。
裏の世界は空は灰色に染まり、
道端では敢えて死にそうな国民達がいました。
そのような人達を助けるほど暇ではないので無視し続けてました。
まぁもちろんのこと外を歩けば罵声の嵐。
もうこんな生活慣れました。
ですがやはり国民に言われるのは少し心苦しいです。
どうしてこうなったのか、
そう何回も考えました。
そう裏の日本のことを思い返しながら
会場へ着いた頃には結構人がいました。
遅刻したんじゃないかと心配になりましたが
こちら側のドイツがいてホッとしました。
「確かほぼ会場に着くのはドイツとほぼ一緒かそれよりも早いか、」
そう思い、私は挨拶をしました。
『ドイツさん。おはようございます。』
そういうとドイツも返してきました
『あぁ日本。おはよう』
そう言いドイツと会話をしながら会場へと
向かいました。
意外にも人がいました。
そして数分後、何人か遅れているらしいですが会議が始まりました。
そのまた数分後、アメリカとイタリアが遅れて会場に入って来ました。
『HEROは遅れて登場!!』
と言いながら席に座ろうとします。
『お前の遅刻癖はなんとかならんのか!!』
そう言いイタリアを怒ろうとしたドイツですがイタリアは聞く耳も持たずに私に近づいて来ました。
『日本〜!』
そう言いながら抱きついて来ました。
正直こう言う時はどうすればいいのでしょう。
鏡で見ていた時は抱きつかれている表のことなど見ていなかったので
そう思い私はぎこちなく何も言わずにイタリアに手を回しました。
『どうしたのですか?イタリア君』
そう私が発言した後、
この場の空気が凍りつきました。
何か間違っていたのではないかとすぐにイタリアから手を離しました。
『君、誰?』
そう言ったのはイタリアでした。
正直びっくりしました。
表の日本ならこう言う時どう行動していたのか知らないのでなんとなくで行動しましたが、
間違ってましたか。
それよりも訂正しなくては
『何言っているのですか?イタリア君 』
そう私は言いました。
ですがすぐにイタリアが口を開きました。
『日本は抱きつかれたらそんな反応しない。君は誰?』
そうイタリアは言いました。
ですがバレるわけにもいきません。
『あぁすみませんちょっと寝ぼけていたみたいです。申し訳ありません。』
少し黙ったかと思えば次はドイツが言いました。
『日本は寝ぼけてもそんなことしないぞ。
本当に誰だお前は』
こんなに小さなことでバレるとは。
そんなにこっちの日本とは仲がいいみたいですね。
少し黙っているとアメリカが口を開きました。
『本当に日本が寝ぼけていたのかもしれないぞ??』
そうアメリカが言うと少し場の空気が緩みました。
そう思ったらすぐに
『でもちょっと信じれないから質問していい? 』
『えぇ。どうぞ』
『日本は家から帰って来たらまず何をする?』
これなら知っています。
『ポチ君にご飯をあげます。』
そう言うと完全に信じてもらえたのか
イタリアはすぐに私の隣へ座り、
会議が続行されました。
会議が終わった後、イギリスに声をかけられました。
『お前、少しは休めよ?』
『えぇ。ご心配ありがとうございます。』
『そういえばお前ピアスなんかしてたか?
目も赤いし、』
『…お前本当に日本か?』
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