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霜月リラ@瑠璃ノ月第4夜
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naf
25
引退時。くわしくは作品へ
20
帰り道
二
公園の前に差し掛かったとき、突然、空が暗くなり、ぽつり、ぽつりと雨が降り出してきた。
あっという間に、雨は激しい夕立になった。
「うわっ、大雨だ! 走ろう!」
周が叫んで駆け出したが、雨脚は強くなる一方だ。ぼくたちは大きな木の下へ駆け込み、雨宿りをすることにした。
周は濡れた髪を払いながら、「参ったなあ」と笑っている。
ぼくはランドセルの中から、折りたたみ傘を取り出した。
「あ、律、傘持ってたんだ!」
周が目を輝かせた。
ぼくは小さくうなずいて、傘を開いた。二人で入るには、少し小さな傘だった。
「周、入れよ」
ぼくが言うと、周は「ありがとう!」と言って、ぼくの傘に入ってきた。
肩と肩が触れ合う距離で、ぼくたちは再び歩き出した。
雨音が傘の布を激しく叩く。その大きな音のなかで、ぼくは思い切って口を開いた。
「……さっきは、ごめん」
「え?」
「掃除のとき。ぼく、何も言えなくて……周に嫌な思いをさせたと思って」
周は一瞬ぽかんとした顔をしたあと、急に声をあげて笑い出した。
「なんだよそれ! ぼく、そんなこと全然気にしてないよ。律が気にすることないって!」
周の明るい声を聞いた瞬間、ぼくの心の中を覆っていた暗い雲が、すーっと晴れていくような気がした。
傘の中の狭い空間が、とてもあたたかく感じられた。
二段落 終わり
コメント
1件
雨の夕立って、急に世界の音が変わりますよね。傘に入るって言った律くんの優しさにじんときました。「ごめん」って言えたのも、それを「気にしてないよ」って笑って返した周くんも、二人の距離がちゃんと近づいたのが伝わってきて、傘の中のあたたかさがこっちまで伝わってきました🥀