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「俺は九條の家を出て料理の勉強をしようと思ってる。それが今の願いだよ。そして——ましろを攫ってく」
九條の言いなりにはならずに料理の道へ進むこと。それが、潤の新しい願い。
それにしても攫うってどういうこと!?
「それに料理を極めて、実里にもっと美味しいもの食べさせてあげたいし」
にっこりと嬉しそうに微笑む潤の中心にはやっぱり実里くんがいるみたいだった。
って、そこじゃなくて……
「あの、攫うって」
「本気だよ。振り向いてもらえるように頑張るから」
触れた指先が絡み合う。解こうとしても、潤の力が強くて解けない。
「俺だって負けない」
そう言って私の耳に触れるだけのキスをした。
「っ!」
絡まったままの指先はきつく結ばれたままで、逃げ場なんてどこにもない。
「わ、私は……」
「もっと困らせてあげるからね」
こんなに強引に迫られても、私の心はますます揺れるばかり。こうして、波乱の修学旅行が幕を開けた。
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