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(笑)
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小畑くんが帰って来た。
僕が大学の渡り廊下を歩いていると、向こうから声を掛けて来た青年がいた。
それが小畑くんだった。
半年ぶりに見る小畑くんは、もうモンシロチョウの羽は無く、普通の人間に戻っていた。
僕は、
「やあ。
驚いたなあ。
君、どうしていたかい?
羽が無いようだけど。」
と尋ねると、小畑くんは、
「ああ、暖かい国を飛び回っていたんだ。
羽はね、とれちゃったのさ。
僕が蝶であることに自信を無くした頃、朝起きたら床に落ちていた。
体のほうで、いらないと判断したんだね。
とにかくこうして僕は大学に戻ったのさ。」
と、すまして言った。
僕は蝶でなくなった小畑くんに少しがっかりしたが、またこうして友人として付き合えることが嬉しかった。
小畑くんは以前のようなキャベツ狂でなくなっていた。
今度は大学の池の蛙を捕まえて、焼いて食べるようになっていた。
ある時は、寮の罠にかかったネズミを欲しそうに見つめていたので、僕は慌ててそれを捨てた。
それ以外にも、寮で小畑くんの鳴き声がうるさいと問題になった。
小畑くんはたまに夜中に
「ホ~!」
と鳴いてみせるので、僕はぎょっとしたのだ。
小畑くんはどうかしている、と僕は思った。
とうとう恐れていたことが起こった。
小畑くんがフクロウになったのだ。
僕が同部屋の小畑くんに湯たんぽを渡そうとベッドに近づくと、小畑くんはもう眠っているようだった。
ランプで照らして見ると、小畑くんの背中に真っ白な鳥の羽が生えていた。
僕はびっくりしてランプを床に落としてしまった。
すると小畑くんが目を覚まして、
「どうかしたのかい?」
と尋ねた。
「き、君!
また羽が生えているよ!
今度は、鳥の羽だ!」
とうろたえる僕に、小畑くんは、
「ああ、そろそろだと思っていた。
これは、フクロウの羽さ。
僕は、モリフクロウなんだ。
ネズミを欲しがっていたのは、このため さ。
じゃあ僕はまた旅に出るよ。
短い間だったが、世話になったね。
さよなら。」
と言うと、素っ裸で窓から飛び立って行った。
僕は、小畑くんはもう二度と帰って来ないのでは、と思った。
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