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朝の光が研究室の窓から差し込み、机の上の書類や機器を淡く照らしていた。
空気はまだひんやりとしていて、肩や背中に、昨夜の徹夜の疲れが静かに残る。目の奥も鈍く重く、頭の端にかすかな圧迫感。くられはそれに目を向けず、淡々と背伸びをする。手に力が少し入らないのも、気のせいだと自分に言い聞かせながら、ペンを握った。
ドアが開き、ツナっちの元気な声が研究室に響く。
「おはようございます、先生!」
その声が頭の奥で重く響き、くられは軽く眉をしかめる。けれど、表情には出さず、淡い笑みを浮かべて答える。
「おはよう、ツナっち」
ツナっちは一瞬、くられの顔色や声の掠れに眉を寄せる。
「……先生、顔色ちょっと悪いっすよ。大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫。ただ、ここ数日徹夜しただけなので」
「いや、顔真っ白っすよ」
くられは肩をすくめ、淡い笑みを浮かべる。胸や体全体に広がるだるさも、頭の重さも、淡々と押し込める。それはツナっちには一切見せてはいけないものだ。
眉をひそめた視線に気づき、隠そうとしているのを見て、問い詰めるのを諦めたのだろうか、ツナっちはそっと紙袋を取り出し、机に置いた。
「朝ごはん持ってきました。温かいスープっす」
「ありがとう」
指先に伝わる温かさが、わずかに心を落ち着かせる。違和感やだるさを押し込めながら、スープのカップを手に取る。ツナっちはそばに座り、静かに見守っている。
「ちゃんと食べてますか?」
「うん、大丈夫…ほんとに大丈夫だよ」
目は少し遠くを見つめ、昨夜の疲れや微かなだるさを隠す。淡々と口に運ぶスープの温かさが、わずかに慰めとなる。
少しだけ食べているのを見届け、ツナっちは資料整理のためにゆっくりと立ち上がった。
「じゃあ、少しあっち見てきますから。見てますから、ちゃんと食べてください」
「うん、頼んだよ、ツナっちくん」
背中が見えなくなったあと、くられは肩の力を抜く。だるさや頭の重さは消えないが、研究の手を止めるわけにはいかない。立ち上がろうとした瞬間、頭の奥で鋭い痛みが走り、体がわずかに傾いた。机に手をつき、なんとかバランスを保つ。
あ、やばいと思った瞬間、世界が静かに揺れ、意識が遠のいた