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コメント
1件
古代星獣めっちゃかっこいい……!「力に負ける自分が怖い」って台詞に痺れたわ。奪うんじゃなくて星の力を消し去る使い方、主人公の意志がちゃんと見えて最高。リリアとの距離も少し縮まってニヤニヤする。王復活まで一年って……続き気になりすぎる🔥
第四話 目覚める古代星獣
朝日が森を照らしていた。
昨日まで何も知らずに暮らしていた少年は、今では世界を揺るがす力をその身に宿している。
レインは焚き火の前で、自分の右手を見つめていた。
黒い紋章。
昨日まではただ不気味な印だった。
しかし今は違う。
これは力の証。
同時に、世界から狙われる理由でもある。
「……眠れなかった?」
声に振り向く。
そこにはリリアが立っていた。
銀色の髪。
冷静な表情。
昨日まで自分を殺そうとしていた少女。
「お前こそ」
「見張ってたの」
「俺を?」
「半分は」
リリアは少し間を置く。
「もう半分は……あなたが暴走しないか確認するため」
レインは苦笑した。
「信用されてないな」
「当然でしょ」
リリアは即答する。
「星喰いを信用する人なんて、この世界にはほとんどいない」
その言葉に、レインは黙る。
分かっていた。
この力は普通じゃない。
自分がどれだけ「違う」と言っても、周りから見れば危険な存在なのだ。
「でも……」
リリアが続ける。
「昨日、あなたは力を持ちながら奪わなかった」
「普通の星喰いなら、あの状況で全てを吸収していた」
「だから私は……もう少しだけ見ることにした」
レインは少し驚いた。
「つまり?」
「監視役として同行する」
「仲間ってこと?」
「勘違いしないで」
リリアは顔を逸らす。
「まだ信用したわけじゃない」
「ただ、あなたが本当に違うのか確かめるだけ」
レインは笑った。
「十分だよ」
その時だった。
アークの声が響く。
『警告』
『遠方より巨大魔力反応』
『推定……災害級』
レインの表情が変わる。
「災害級?」
リリアも空を見る。
「まさか……」
「知ってるのか?」
少女の顔から血の気が引く。
「古代星獣」
「千年前、星喰いと共に現れた存在」
「国一つを消したと言われている怪物」
レインは息を呑む。
「そんなものが……?」
次の瞬間。
空が暗くなった。
雲ではない。
巨大な影が空を覆っている。
遠くの山。
そこから何かが立ち上がる。
大地が揺れる。
鳥たちが一斉に逃げていく。
そして。
山を越えて姿を現した。
巨大な翼。
星のように輝く瞳。
黒い鱗。
ドラゴンに似ている。
しかし、普通の生物ではない。
身体には無数の星の光が流れていた。
『名称確認』
『古代星獣《ネビュラ・ドラグ》』
『危険度……測定不能』
アークの言葉に、レインは固まる。
「測定不能って……」
「つまり、勝てないってこと?」
リリアは剣を握る。
「違う」
「戦ってはいけないってこと」
だが。
古代星獣の視線がこちらへ向いた。
遠く離れているはずなのに。
確実にレインを見ている。
『星喰い反応確認』
『王の器』
その声は、頭の中へ直接響いた。
「しゃべった……?」
ネビュラ・ドラグはゆっくりと翼を広げる。
『我は千年待った』
『星を喰らう者よ』
『汝が本物か、試させてもらう』
瞬間。
空から無数の光が降る。
流れ星。
しかし、それは美しいものではない。
一つ一つが破壊の力を持っていた。
「逃げろ!」
リリアが叫ぶ。
二人は走る。
地面が次々と砕ける。
「こんなの……どうしろっていうんだよ!」
レインは叫ぶ。
『能力使用を推奨』
『星喰い能力で対抗可能』
アークが告げる。
「でも!」
レインは空を見る。
あまりにも巨大な存在。
力を使えばいい。
簡単な話だ。
だが、また奪うことになるかもしれない。
その迷い。
古代星獣は見抜いた。
『迷うか』
『力を持つ者が』
『力を恐れるとは』
レインは拳を握る。
「……違う」
「俺は力が怖いんじゃない」
「力に負ける自分が怖いんだ」
胸の紋章が輝く。
黒い光が広がる。
「だから!」
「俺は俺の意思で使う!」
『能力発動』
《星喰い・吸収》
だが今回は違った。
敵から奪うのではない。
降り注ぐ星の力を受け止め、消滅させる。
爆発が止まる。
古代星獣の目が細くなる。
『……』
『面白い』
巨大な存在が初めて笑った。
『汝は過去の星喰いとは違う』
レインは息を切らしながら睨む。
「何が目的だ」
古代星獣は答える。
『試練だ』
『星喰いの王が目覚める前に』
『汝が器に相応しいかを見る』
その瞬間。
ネビュラ・ドラグの身体が光に包まれる。
そして一つの小さな結晶が落ちた。
レインの前へ。
『持て』
『第二の扉を開く鍵となる』
光が消える。
静かな森。
残されたのは、黒と銀が混ざった不思議な結晶だけだった。
リリアが呟く。
「ありえない……」
「古代星獣が、人間に力を渡した……」
レインは結晶を握る。
その瞬間。
アークが告げた。
『新たな情報を確認』
『星喰いの王』
『復活まで残り一年』
レインの表情が変わる。
「一年……」
世界の終わりまでの時間。
そして。
自分が選ばれた理由。
まだ何も分からない。
だが、レインは歩き出す。
「行こう」
「俺は知らなきゃいけない」
「この力のことも」
「星喰いの過去も」
リリアは少しだけ笑った。
「……やっぱり変な人」
「褒めてる?」
「半分だけ」
二人は歩き始める。
その先に待つのは――
失われた古代都市。
そして、星喰いの真実。