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第二十三章: ドワーフの国へ
カルは、自分の引きつける能力を活かしてさまざまな素材を左手として利用できるようになったものの、より恒久的で強力な左手を求めていた。そんな中、彼はドワーフの存在を知った。ドワーフは優れた鍛冶技術と工芸品で知られ、特に武具や義肢の製作において他に類を見ない技術を持っていると言われていた。
「ドワーフの国なら、きっと僕に合った左手を作ってくれるかもしれない。」カルは希望を胸に抱き、リーナと仲間たちと共にドワーフの国へ向かうことに決めた。
旅路は険しかったが、カルたちは互いに助け合いながら進んだ。山岳地帯を越え、深い森を抜け、ついに彼らはドワーフの国の入り口にたどり着いた。
「ここがドワーフの国か…」カルはその壮大な景観に圧倒された。山肌に掘られた巨大な門が彼らを迎え入れ、その奥には活気あふれるドワーフたちの集落が広がっていた。
カルたちはドワーフの鍛冶職人として名高いマスター・グロムを訪ねることにした。彼は頑固だが腕の立つ職人として知られていた。
「お前さんが左手を失った冒険者か。」グロムはカルをじっくりと観察しながら言った。「どんなものが欲しいんだ?」
カルは自分の状況と望むものについて説明した。「僕には引きつける力があります。この力と組み合わせて使えるような義手が欲しいんです。」
グロムはしばらく考え込んだ後、ニヤリと笑った。「面白い注文だな。その力を活かせるような特別な義手を作ってやろう。」
こうしてカルはグロムと共に義手の設計に取り組むことになった。彼の引きつける能力を活かし、多様な素材と組み合わせることで、どんな状況にも対応できるような義手を目指した。
「これでお前さんももっと自由になれるだろう。」グロムは完成した義手をカルに手渡した。
新しい義手を装着したカルは、その軽さと頑丈さに驚きつつも、心から感謝した。「ありがとう、グロムさん。これでまた一歩前進できる。」
こうしてカルは新たな力を得て、リーナや仲間たちと共に再び冒険へと旅立つ準備を整えた。彼らにはまだ多くの試練が待ち受けているが、この新しい義手と共に未来への道を切り拓いていくのであった。