テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
121
。(まる)
610
国大好きマン
季節はすっかり冬になり、私たちは三学期を迎えた。
「おはよう愛楽」
「おはよ、空舞」
教室は暖房をつけたばっかりなのか、まだ少し冷えていた。ギリギリまで防寒着を着ていたい。
「冬休み何した?」
「んー…家でゴロゴロした」
「遊びに行ったりは?ほら、帰省したり」
「あー…」
そういえば空舞たちに祖父母がいる設定を作ったんだった。
「行ったよ」
「お年玉貰った?」
「貰った」
行ったのは事務所で、貰ったのはパソコンの知識だけど。
まきをさんの指導の元、私は裏情報の探り方を身につけた。施設内の設計図やセキュリティなどもそれに含まれている。
「今年度もあとちょっとかぁ」
「でも、来年も変わらないでしょ」
「クラス替えあるじゃん。同じクラスになれるといいな」
「そだねー」
「愛楽は僕とまた同じクラスになりたい?」
「別にどっちでもいいかな」
「即答か…」
なんでかよく分からないけど空舞は落ち込んでいた。
「来年2年生になったらレヴィは3年生か…」
「レヴィさんは将来何になるの?っていうかいつまで愛楽の家にいる?」
「将来は…なんだろね。まぁ高校生になったらさすがに自立するんじゃない?」
「へぇ…」
たしかに、レヴィは高校に行くつもりなのだろうか。行くとしたらどこへ行くのだろう。ペアなのだから、当然私もレヴィと同じ高校に行った方がいいはず。
でも、もしもレヴィが高校に行かないと決めたら?私も高校に行かない方がいいのだろうか。任務に支障が出てしまうこともあるんじゃないか。お母さんたちはなんて言うだろう。学校はなるべくいきなさいって言うだろうな。私たちが1週間休んだ時もすごく怒っていた。でも、お母さんたちはどっちを優先してほしいんだろう。
「愛楽?」
「なに?」
「なんか、すっごい考え事してるみたいだったから。どうかした? 」
「高校、どうしようかなって」
「…どうするか、ね」
「空舞は決まってるの?」
「僕はやりたいことがまだ無いから、それを決めないとかな」
「そっか」
「愛楽は、高校に行くか行かないかを迷ってるみたいだね」
私は何も言えなかった。図星だったから。そもそもどの高校に行こうかなんて考えたことがない。レヴィについていこう、レヴィが行かないなら私も行かないと考えていたことに気づいた。
「…空舞、私はね…その、実は」
言いたい。空舞には話したい。話さなきゃダメなんだ。ずっと支えてくれた空舞に。
「わたし、は…」
怖い。もし嫌われたらどうしよう。あぁそうか。お母さんたちもこんな気持ちだったんだ。私たちに殺し屋だと打ち明けるあの時、どれだけ怖かっただろう。
「愛楽、?落ち着いて…」
「私、実は…こr」
「おはよー。あ、空舞!」
「おはよう翔太。どうしたの?」
言えなかった。いや、言わなかった。クラスメイトが来たことにほっとしている。私はまだ知られたくないのだろうか。
「愛楽、さっき言おうとしてたことって」
「あ、ううん。気にしないで」
「…そう?」
まだ、秘密にしといていいだろう。
コメント
1件
やばばば、このもどかしさ…!😭💕 愛楽が空舞に打ち明けようとして、でもクラスメイトが来ちゃって言えなかったシーン、心臓ぎゅってなったよ!!「まだ秘密にしといていいだろう」って自分に言い聞かせるところ、リアルすぎて泣ける…。空舞の「即答か…」と落ち込むトコも可愛かったし、レヴィの将来とか高校の話とか、愛楽の内面がどんどん深掘りされてて最高だったよ〜!次が気になりすぎる!!🌸