テラーノベル
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空舞に私が殺し屋だということを打ち明けようとして失敗してから1ヶ月が経った。空舞はあの時のことを忘れているみたいで、あの時のことを聞いてくることはない。それはそれで安心した。
今日はバレンタインデーだ。私は本命と言われるものがいないので、お世話になってる感謝を伝えるチョコという名目で色んな人にあげようと思っている。
「姉さん何作ってるの?」
「クッキー」
「すごい!完成したら僕も食べたい」
「うん、一緒に食べようね」
あとは型を取って焼くだけ。海斗と一緒におしゃべりしながら作る。海斗も楽しそうだ。
「よし、焼けるまで私は課題を終わらせないと」
「じゃあ僕も宿題する」
毎日がこんな幸せで溢れていたらいいのに。色んなことに悩まず、ただ時間を過ごせたらどれだけ楽なんだろう。
クッキーが焼けたので、レンジから出して少し冷ます。我ながらにいい出来栄えだ。
「姉さんって料理もできるんだ。できないことってあるの?」
「運動」
「あ…」
「やめて。お姉ちゃん悲しくなるから」
「…ごめんね。運動できなくても生きていけるよ!」
「殺し屋としては致命傷だけどね」
「姉さん…」
なんだか泣けてきた。
すると、匂いにつられてレヴィがリビングにやってきた。
「え、クッキーじゃん」
「バレンタインデーだから」
「誰にあげるんだ!?」
「レヴィと双子と光平とティナとお母さんたちと海斗それからボスとまきをさん」
「予想以上に多いな」
「お世話になってる人にあげようと思ってるから」
「あ、あぁ…義理か」
「義理に決まってるでしょ」
「確かに」
私は恋愛感情に疎いから、好きになる人ができるのはもっともっと先になるだろう。もしかしたら結婚することもない気がする。
「そろそろいいかな。食べようか、海斗」
「うん!」
「「いただきます」」
私たちにつられてレヴィも1枚食べる。ほのかな甘みとサクッとした食べ応えがちょうどいい。
「おいしい」
「美味しいね!」
「すごいな愛楽。将来はいい嫁になりそう」
「それ、お父さんがよく言ってるの真似してるんでしょ」
「よくわかったな」
それでふと思い出した。
「レヴィは高校行くの?」
レヴィは目を見開いて、少し伏せて、それから前を見た。
「行かないよ」
「そっか。じゃあ私も行かない」
「えっ、なんで」
「殺し屋に専念したいから」
「愛楽、俺たちがデビューするのはそんなに早くなくてもいいんだ。まだ普通の人生でも悪くは言われない」
「でも、お母さんたちは小さい頃から普通から離れてたんでしょ」
「それは…」
「私は覚悟できてる。普通から離れたって別にいいよ」
レヴィは何か言いかけたけど、口をつぐんでクッキーをもう一口食べた。
「レヴィ、私18歳になったらレヴィと結婚しようかな」
コメント
1件
うわ、バレンタイン回…!クッキー焼くシーン、海斗くんとのやりとりがすごくあたたかくて、ほっこりしたよ🥺 でも最後の「18になったら結婚しようかな」で一気に空気変わった…レヴィの反応も気になる。♡♡♡屋としての覚悟と普通の幸せの間で揺れる感じ、すごく伝わってきた。次が待ち遠しいよ🌙
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国大好きマン