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「ここですかね?」
「そうだな、行くか」
陶芸教室に着いた。
外観がこだわれていると思っていた。
でも、実際には家だ。
ちょっとびっくりしている。
「「こんにちは」」
唯月さんと僕で合わせて挨拶をする。
「こんにちは」
中からは優しそうなおじいさんが出てきた。
「予約していた、志水です」
「志水さんね、じゃあこちらへどうぞ」
「ありがとうございます」
僕達は中に入る。
中に入るたくさんの陶芸作品が置かれていて、とても美しかった。
「まずはこの粘土を触って見ましょうか」
「はい」
おじいさんから粘土が渡された。
僕は触る。
「うわぁ!」
「どうだい?」
「想像していた感じと違います!」
僕は小学校でやるような粘土を想像していた。
でも、実際には手にくっつく、今まで体験してこなかった感覚だ。
「唯月さんを触ってみてください!」
唯月さんは僕の様子を見てばかりだったので、触って貰うように促す。
「おお!本当だな!」
「ふはっ!楽しい!」
僕達は少しの間、無心で遊び続けた。
小学生の頃に戻ったようで、とても楽しかった。
「では、そろそろやりましょうか」
「はい!」
僕は自信満々に返事をする。
その返事をした途端、隣にいる唯月さんにフッと鼻で笑われてしまった。
僕はそんな唯月さんなんて気にせず、次の工程に興味津々だ。
「まずはどんな作品にするのか、この中から選んでください」
おじいさんはそう言って、作品の写真をまとめたものを渡してくれた。
「ありがとうございます」
おじいさんは唯月さんの分も渡していたので、しっかり見る。
お茶碗、お皿、湯のみ、
たくさんあるけど、どれもしっくりこない、
「陽向はやっぱりこれじゃないか?」
唯月さんはそう言って、写真を見せてきた。
その写真を見て、僕の目は輝く。
「これがいい!」
そこには『珈琲カップ』と書かれていた。
「唯月さんはどうするんですか?」
「そうだなぁ、」
唯月さんはそう言って考え込む。
僕は唯月さんに作って欲しいものがないかなと写真をパラパラとめくる。
「唯月さん、これどうですか!」
僕は目に止まったページを見せる。
「お!鉛筆立てか!いいな!」
「いいですよね!」
「決まりましたか?」
「はい!」
僕達は体験作品が決まり、ろくろ台に移動した。
これから作るとなると少し緊張する。
「まずは土殺しという工程をします」
…土殺し?
聞いたことがない単語で好奇心が沸く。
「土殺しというのは粘土の空気を抜いて丸くすることです」
「なるほど、」
僕達はその通りに叩いたりして空気を抜いて丸くする。
「では、ろくろを回してみましょう」
「は、はい」
くるくると回してみる。
自分で回したってだけで嬉しくなる。
「じゃあ、回転させながら中心にに穴を開けてみましょう、では先に右の方から」
唯月さんが先にやるみたい、
僕は唯月さんの動きを見る。
唯月さんの手先はとても丁寧で、見ていて安心する。
僕は唯月さんのこの手で…
ダメっダメっ、そんなこと考えちゃ、
「では、次はそちらの方」
「は、はい!」
うぅ、難しい、
手がぶれて、上手く穴が開けられない、
「大丈夫ですよ、」
おじいさんは、サポートしてくれる。
「おっ、出来た!」
「ははっ、良かっな!」
「出来た!」
「俺も出来たぞ!」
「お疲れ様でした」
陶芸作品は完成した。
上手く出来なかった部分もあったけど、自分で作った最高の作品だ。
「郵便でお送り致しますので、住所をここにお願いします」
「分かりました」
唯月さんは住所を書く。
僕はその間に質問をする。
「作品はどれくらいで完成するんですか?」
「そうですね、短くて10日で長ければ数ヶ月程ですね、でも志水様の作品でしたら2週間程でできると思いますよ」
「そうなんですね!」
2週間!楽しみだな!
僕はまだ粘土の姿しか作品を見ていない、だから焼けた姿を見るのがとても楽しみだ。
「はい、書けました」
「ありがとうございます、ではお会計を」
僕達はお会計台に移動する。
僕は財布の準備をしながら向かう。
「お値段、こちらになります」
「はい、ありがとうございました」
唯月さんは払い終わり、僕も払おうとする。
「陽向、もう払ったよ」
「えぇ!」
「ほら、ありがとうございましたって」
「あ、ありがとうございました、」
僕は唯月さんに促されお礼を言う。
唯月さんは僕の手を握る。
「また、来てくださいね」
僕達はお店から出た。
唯月さんはもう一生離さないとばかりに強く手を握っている。
「唯月さん、お会計、」
「気にするな、」
気にするなと言われても、
今日は他にも買ってもらったし、
それに、お金を全く出していない気が…
「陽向のお陰で楽しいことが出来たからさ、俺じゃ思いつかなかったよ」
「それはありがとうございます、」
その瞬間、僕のお腹が鳴る。
スマホで時間を確認すると17時という結構いい時間だった。
「ははっ、じゃあ夜ご飯を食べに行くか!」
「え!どこに?」
「それはお楽しみだな!」
そう言って、唯月さんはまた僕のことを導き出した。
唯月さん、僕、今とても幸せだよ、
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