テラーノベル
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待ちに待った試験最終日が終わって、やっと手に入れた、自由な休日!
集合場所は駅前のロータリー。
みんな私服で集まるのは久しぶりで、朝からちょっとテンション高めだった。
え「うわー!みんな服の雰囲気ちがう!
かわいい!」
の「えとさんのほうがかわい!!
ワンピ、めっちゃ似合ってるよ〜」
じゃ「おう、ふたりとも盛れてんじゃん。インスタ載せよ」
ひ「今日は一日、思いっきり楽しもうね。えとさん、疲れたらすぐ言ってね」
ゆ「かわいい……」
う「おいゆあん、聞こえてんぞ? てか、えとさんこっち来て!俺の服も褒めて!」
え「うり、なんかいつもよりちょっとオシャレじゃない!?どしたの?」
う「へっ、そう思った? ふふん、今日のためにさ〜」
じゃ「俺が昨日付き合わされたんだぞ? 服選び3時間な」
え「え〜〜それ聞くとますます愛感じるね〜」
う「なっ!べ、別に、えとさんに似合うかなーとか考えてたとかじゃないしっ!」
の「うわ〜〜!それ思いっきり好意じゃん!!」
⸻
目的地は、ちょっと郊外にある大きめの遊園地。
入園ゲートをくぐると、いきなり全員のテンションが爆上がり。
のあ 「まずはジェットコースターでしょ!!」
じゃ「いや、朝イチそれは胃がヤバいって!」
え「でもみんなで乗ったら楽しそうじゃない?」
う「よっしゃ、えとさんが言うなら行くしかねー!」
ひ「どうやって席順きめる?」
ゆあんくん「端っこ怖いからやだ」
じゃっぴ「はいはい〜じゃんけんで決めましょ〜仲良しこよし!」
のあ「ほんとイツメン感すごいな〜、幸せすぎる」
⸻
アトラクションに絶叫し、おそろいのカチューシャをつけて歩きながら、
フードワゴンのポテトをみんなでシェアして、記念写真を何枚も撮って、
笑って、ふざけて、全力で遊ぶってこういうことなんだなって思った。
ちょっと離れたところで座っていたとき──。
じゃ「なあ、えとさん。今日、楽しい?」
え「うん、すごく!めちゃくちゃ楽しいよ!」
じゃ「……そっか。ならよかった」
その笑顔がちょっとだけ真剣で、私はなんだかドキッとしてしまった。
そのあと、隣にうりがどかっと座ってきた。
う「えとさん、今日さ、俺の服ほんとに良かった?」
え「うん、いつもより断然かっこいいよ!」
う「マジで!?うおお〜!よっしゃ、これであと5年は自信持てる!」
の「いや5年は盛りすぎでしょ!!」
⸻
夕暮れ、観覧車の列に並びながら──
ひ「今日、えとさんの笑顔、ずっと見れてうれしかった」
え「ひろくん…?」
ひ「ううん、変な意味じゃなくて。大切な人が楽しそうにしてるのって、見てて幸せだなって思っただけだよ」
その優しい目に、ちょっとだけ胸が高鳴った。
⸻
そして帰り道。
みんなで「次はどこ行こうか〜!」なんて話しながら駅まで戻る途中、
わたしの肩に、じゃっぴがぽんっと手を置いた。
じゃ「今日の思い出、ちゃんと保存しとけよ?俺が毎回楽しい日つくってやるからさ」
え「……うん、楽しみにしてる」
う「てか今度は海行こう!な?えとさん!」
ゆ「……えとさんと行けるなら、どこでも」
ひろくん「そうだね。また、みんなで」
私は笑った。
え「たのしみ!」
⸻
こんなふうに、ちょっとずつ、でも確かに。
私の中でみんなが、大切な人になっていってる気がした。
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