ゆあです。
かなりぶっ飛んだところから始まりますが、ぶっ飛んだということなので、はい。頭を空にしてみてください!
それではどうぞ。
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時は過ぎ9月1日。
学生等は二学期の始まりという地獄を迎えている中、 乱歩の生活には今日限りの大きな変化があった。
何時もは朝の7時に起床、そこから諸々の準備をして早すぎず遅すぎずの時間に出社、という生活を繰り返しているのだが、今日は乱歩の生活の中に『太宰治』という存在が加わった。
ヴーーーーッヴーーーーッ
ヴーーーーッヴーーーーッ
ピッ
「もしもし太宰?」
『…はい、』
「生きてる?」
『生きてますけど…貴方ね、何時だと思ってるんですか』
「朝七時」
『そうです正解です大正解です凄いですね乱歩さんさすが名探偵』
「は?馬鹿にしてるのか?」
『してますが』
「失礼なやつだな」
『どっちがですか…』
「じゃあ切るね」
『無視…というか、何の用があって電話してきたんですか?こんな朝早くに、ましてや貴方から電話がかかってくるなんて結構びっくりしてるんですけど』
「別に。ただの安否確認」
『安否確認、、、あんぴ、、、、は?』
これが変化だ。別に今日だけ同じ部屋で暮らす訳でも、今日だけ一緒に出社する訳でもない。ただ、乱歩は朝一番に太宰へ安否確認の電話をしたのだ。
理由は簡単。9月1日は自殺者が多い日だから。
でもそれはきっと学生の中で、という事なのだろう。何せ二学期が始まるのだ。夏休みが終わり、学校が始まる日なのだ。
勿論、太宰には何も関係がない。なのに乱歩は太宰に電話を掛けていた。つまりこれは、太宰の思惑通り、乱歩が太宰のことに対して敏感になり過ぎている証拠である。
太宰もそれを分かっていた。
『…別に死んだりしませんよ。というか自殺はいつもだと思うのですが』
「まぁ、そうか、あー、、うん、いや、別に、うん、お前が生きてたらいいんだ。じゃ」
『えっ、は?ちょ、ま、』
ピッ
ツーーーーーッツーーーーーッツーーーーーッツーーーーーッ
乱歩は自分に語りかけるように呟いた。
「無様だ、江戸川乱歩」
乱歩も自覚はしていたのだ。いや、させられていたのだ。日々の生活を重ねていくうちにじわじわと自覚させられていった、自分が太宰に狂っているということを。
四六時中太宰のことを考えて、しなくていい心配をして、かなり過干渉になっていたのだ。赤の他人である《太宰治》に対して、他人に興味のないあの《江戸川乱歩》が。
蝉が五月蝿かったあの夏の日から今に至るまでで凄く変わったことがある。
それは、太宰の精神状態が明らかに不安定になっている、ということだ。探偵社の同僚から見ても分かるほどに。
皆「病院に行った方がいい」だとか「休んだ方がいい」だとか、色々と太宰を心配する言葉をかけていたが本人は病院も休むのも嫌だと頑なに断り続けている。
なんでも病院は息が詰まるから嫌で休むのは皆に迷惑がかかるから嫌、らしい。
でも乱歩はなんとしてでも太宰を病院にだけは連れていきたいと思っていた。理由はまだ、乱歩がマトモだから。 なので太宰が取り返しのつかない事になる前に病院へ連れていき、元気な姿を見たいと、ただそれだけを真っ直ぐ願っているのだ。まだ、願う心があるのだ。
「あっ!!!」
ここで乱歩は気づく。
「時間やばいじゃん!!!」
出社時間を20分過ぎていることに。
「社長に叱られるのだけは御免だ!急がないと!!嗚呼!もう!全部太宰の所為だ!!!」
ぐるぐると太宰のことを考えているうちに出社時間を過ぎていた乱歩は、太宰に罪をなすり付け、慌てて準備し部屋を出た。
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とりあえずここまで…誤字脱字等ありましたらすみません🙇♀️
前の話からかなり時間が空いてしまったような気がします、ごめんなさい՞߹ - ߹՞
今回も少し短めだったのですが、 楽しんでいただけたら幸いです。
あと、病院というのは精神科のことです。
それではまた次の話で。