TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

ゆあです。

今回はナオミちゃんがかなり登場します!

それではどうぞ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

僕は走っていた。そう、社長に怒られないために。

ガチャンッ

扉を開けたと同時に息を切らしながら叫ぶ。

「社長まだ来てないよね!?」

「あら、乱歩さん!大丈夫ですわ!まだ来てません!!」

其処にはバイトのナオミちゃんとソファーで馬鹿みたいにすやすや寝てる太宰の二人だけがいた。それ以外は皆、仕事に行ったのだろう。

「良かったァ、もう駄目かと……」

「うふふ、珍しいですね?乱歩さんが遅刻だなんて」

「あぁ、一寸ね。ナオミちゃんこそ谷崎と一緒にいないなんて珍しいじゃないか」

「そうなんです!!!聞いて下さる!?兄様ってば酷いのよ!!」

あー、、、これ長いやつだ。

ナオミちゃんにはこの僕でも何故か逆らえない。

そこからナオミちゃんは10分くらいずっと喋り続けていた。なんでもナオミちゃんはレモンティーが飲みたかったのに谷崎はルイボスティーを買ってきたらしい。それに対し「買い直して」と言ったところ、我儘を言うなと言われたそうだ。

……谷崎も大変だな。

一応ナオミちゃんには「それはそれは…」なんて言って濁しておいた。

愚痴を垂れてくるのにそれに同調して「それは酷いね」と言うと「兄様の何が分かるんです!?」と言ってくる。

俗に言う思春期なのかそれとも重度のブラザーコンプレックスかは、考えないことにした。

そんな僕の苦労も知らず死んでるみたいに寝ている太宰に目をやる。

なんで今日に限って早くに出社していたんだろう。いつもは必ず遅刻してくるのに。

疑問を抱えながらソファーの方へ近づき、太宰の目の前の1人用のソファーに腰掛けた。

やっぱり、整った顔立ちだな。

なんて大半の人間が同じことを思うであろう感想を頭にうかべながら、何十秒かその顔を凝視していたら、閉じていた彼の目がゆっくりと開き、

「あ、おはようございます。2回目、と言っていいのかなんなのか分かりませんが」

と、平然とにこやかに言う。

「……おはよ」

「どうしたんですか?見とれてました?」

「そうかもね」

「それは何より」

良かった。ふざけた言葉を受け流す元気はあるようだ。まぁ、ふざけたつもりなんかないけれど。

確かに、太宰の自殺癖はいつもの事だし9月1日の自殺者のほとんどは学生だろうけど、今日は念の為、行動をよく見ていようと思った。

なんとなく、怖いのだ。

1秒でも目を離したら手遅れになってしまうような、そんな気がする。

考えすぎな自覚はあるけれど、その考えに溺れて抜け出せない。

「じゃあ私、これから国木田くんと合流して依頼を片付けてきますね」

そう言いながら彼はゆっくりとソファーから体を起こし、のろのろと歩いて探偵社を出ていった。

追いかけたかったけど、僕にもこれから解決しなくてはならない事件があるので出来なかった。

心に靄(モヤ)がかかる様などんよりした気持ちになりながら、しばらくソファーの上から動けずにいると、ナオミちゃんが心配そうに言った。

「太宰さん、大丈夫でしょうか…無理をなさっていないと良いですけど、」

本当に先刻と同じ人物なのだろうか、と疑う程気配りのできた言葉だった。

「うーん、どうだろう。大丈夫じゃない?」

そんな訳ないだろ。

自分の発言を脳内で否定する。

最近の太宰は変だ。やけに明るくて、饒舌で。まるで「私は元気だから気にしないで」「干渉しないで」とでも言いたげな振る舞いなのだ。にこにこしながらベラベラと喋ってるくせに皆とかなり距離をとってるし。

これはあからさまに可笑しい。別に太宰がにこにこしてるのが変だって言ってるんじゃない。僕とも距離を取ってくるから、変なんだ。

自惚れている訳では無いが、無いと思いたいが、太宰は今まで探偵社の皆と距離をとることはあっても僕とまで距離を取ってくることなんて無かった。つまり前例から推測した結果、だ。

どうしたものか…

幾ら考えても太宰の事となると良く頭が働かない。それに探偵社なんていう明るくて人を救わねばとする場所でこんなこと、考えたくない。

「乱歩さん?先程からやけに考え込まれている御様子ですが、大丈夫ですか?」

ナオミちゃんが顔を覗き込み、聞いてくる。

此処じゃ良く頭が働かないし今日は甘えよう、と思い

「少し体調が優れないみたいだ。ごめん。今日は早退するよ。今日中に解決しなきゃいけない事件は…太宰と賢治にでも任せといて。それ以外はなんとかなると思うから、社長に言っておいてくれると嬉しいな。それから太宰から目を離さないよう賢治に言っといてほしい」

と言った。太宰が少し心配だが、あの賢治と組ませれば少しは安心だ。

「判りましたわ!他の皆様にも私から言っておきますので、安静にしてくださいね。太宰さんの事も、了解です!」

長々と沢山のお願いをしてしまったのに笑顔で返してくれるなんて、この子いい子だなぁ。

なんておじさん臭いことを考えた自分に寒気を感じながら、僕は探偵社を後にした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とりあえずここまで、、誤字脱字等ありましたらすみません🙇‍♀️

ナオミちゃん登場させたかったんですよね!ほんといい子、、、

今回はあまり物語にインパクトがなかったように感じますが、次に繋げるにはこうするしかッッとしぶった結果です…

あと社長って来るの遅そうじゃないですか?猫と戯れてる+街を見回りながら来そうで…予想ですけどね!笑

それではまた次の話で。

loading

この作品はいかがでしたか?

215

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚