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「起きるぞー!」
園田が、叫ぶ。
「うるせぇ……」
寝ぼけている保住。
「おはよう、園田…」
昨日の朝井の発言が気になって、なかなか寝付けなかった桃瀬。
「保住〜、起きろっての〜!あ!石川〜、おまえもだぁ!」
バサっと石川の掛け布団を剥がす園田。
「さ、寒いっての…か、返せ……」
「ん〜……」
午前5:37分。
目が覚めた萌田。
「…」
(みんな寝てる……)
そっと、自分の顔を覆っているマスクを触る。
「こんなもの……」
小声で呟いた。
「では、今日で、修学旅行が終わる。最後は、日光東照宮に行く。」
(最終日…)
次々にバスに乗る。
「桃瀬君。」
「?」
朝井に声をかけられた。
「…そこ、早く乗れ!」
『!』
担任の石川先生に注意され、会話は、中断されてしまった。
「また後で……」
「?は、はぁ…」
「桃瀬ぇ〜!」
車内に入ると保住が声をかけてきた。
「どうした?」
「こここ、ここに、いてはいけない…奴が…いる……」
「は?」
保住の隣を見てみると、小さな虫が窓ガラスに止まっていた。
「ハァ…どうでもいい」
「よくねぇよ!!」
その後、桃瀬が逃してやったとさ。
「日光東照宮!」
「おぉー!」
「初めて来た!」
「サミー!」
「静かにしろ!」
担任の石川先生が声を荒げる。
「ハァ…、では、これから1時間30分後の、11時に、またここに集合、わかったな?」
『はい!』
「桃瀬〜!朝井さん、萌田さん、こっちコッチ!」
「こういう時だけ行動が早い奴め…」
「どこから行く〜?」
朝井が、パンフレットを見ながら言う。
「1っ番遠いここ!」
保住が指を指したところは、徳川家康の御霊が祀られている奥宮の宝塔だった。
「おいおい、ここに行くまで階段100段だぞ!おまえの体力で行けんのかよ?」
「ウ…」
「い、行ってみるのも、いいんじゃない…かな」
萌田が言う。
「…確かに。行ってみるだけ行ってみますか」
「そだね!」
「んじゃ、出発〜!」
歩き出す。
桃瀬は、話題を振る。
「みんなって、好きな人って、いたり…する?」
「え?」
「ん?」
「!?」
全員が固まる。
(あ、俺やった…)
すぐさま後悔する桃瀬。
「お、俺は、いるよ?」
保住が少し赤くなりながら言う。
「わ、私も…」
同様に赤くなりながら朝井が言う。
「s、そういう、桃瀬は?」
「お、俺も、いるっす……」
「……」
全員が一斉に萌田の方を向く。
「!は、はい?」
「萌田さんは?」
「海莉〜、自分だけ言わないなんて、タチが悪いぞ〜」
「そうだそうだ!」
「あ、わ、私…」
どんどん赤くなる萌田。
「い、います……」
俯いて言う。
萌田の耳は、真っ赤だった。
(萌田さん…好きな人…いたんだ……)
「つ、ついタァ‥」
100段の階段を登り切った桃瀬たち。
「か、海莉〜、ちょっと、待って…」
「!あ、ごご、ごめんなさい…」
100段の階段を登ったにも関わらず、ピンピンしている萌田。
(すげー…)
少し経って……
「行きますか〜!」
休憩をとり、また歩き出す。
「あ!みてみて!眠り猫のおみくじだって!」
「た、高い……」
「コラ!」
結局、おみくじを引かずに、100段の階段を降りた。
「次、どこ行く?てか、後何分?」
「後…30分弱です。」
「ガチ!?やばい…全部周れるかな」
「あ、あの!」
萌田が、言う。
「わ、私…行きたいところが…」
「どこどこ〜?」
朝井が萌田のサポートをするため、近づく。
「あ、あそこ…」
「ん〜と、あ!ここ!鳴き龍!」
「お!いいじゃん!行こ行こ!」
早く早く!と言わんばかりに、保住が駆け出す。
「ちょ、保住!独自行動するな!」
「ハァ、ハァ、」
息が荒い桃瀬。
「だ、大丈夫?」
萌田が、背中をさすってきた。
「!?!?」
「ゆっくり、息吸って…」
「だだだ、大丈夫だよ!ありがと!」
(やばい…、心臓持たねぇかも…)
朝井が、少し口角を上げてこちらをみたいる。
「な、なんですか?」
「別に〜?」
「おーい!早く!今空いてる!」
「…で、なんで遅れた?」
『……』
鳴き龍を体験しているうちに、時間になっていたらしく、約5分遅れた桃瀬たち。
「すみませんでした……」
「誠に…」
「反省します…」
「ごめんなさい…」
「ハァ…さっさとバスに乗れ」
『はい…』
「昼食を終えた者から、下の階にある土産コーナーで、土産を買うように」
「早く食って、さっさと買いに行くぞ!」
昼食を食べる班は、生活班だった。
「いただきます」
『いただきます!』
一斉に、食べ始める園田たち。
「美味!」
「だね。」
食べ始めて5分…
「ごちそうさま!おし!行くぜ!」
園田が1番乗りに土産コーナーにかけて行った。
「早すぎ…」
「無くなる訳じゃねえのに…」
「土産を買い終わったな、じゃ、これから東京に向かうぞ」
気づけば、2泊3日の修学旅行は、あっという間に終わってしまった。