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音のでかさや衝撃波の強烈さに思いを馳せた生徒達が、口々にラマスの成長を誉めそやしてキャーキャーワイワイ騒いでいる中にあっても、一部の生徒達だけは違う行動に出たのである。
各学年でトップの成績を修めていた所謂(いわゆる)優等生たちであった。
「俺たちにもラマスさんと同じ稽古を付けてくれませんか? 何なら学院を退学して貴方の弟子になっても構いません! いいえ、是非弟子にして下さいっ! お願いしますレイブさんっ!」
レイブは遠慮なく迷惑そうな表情を浮かべて答える。
「あー、弱ったな…… 君等全員を弟子、にかい? う~ん~、ズィナミ伯母さん、いや、学院長の許可は? 取ったのぉ? 最低でもパリーグ姉さんの許しは貰わなければいけないんじゃないかなぁ? 弟子云々はその後の話だろう? どうだい?」
十数人の生徒たちは顔を突き合わせて数度の会話を交わし、調子だけは良いランディは黙り込み、彼に代わって代表的なムードを醸し出している金髪の少年と、彼の脇に控えていた青色の髪が特徴的な少女、恐らく最高学年である四回生だろう活発そうな少女が交互に言う。
「判りましたレイブさん、俺たち学院長か副院長の許可を貰ってきます! 今回は突然押し掛けてしまい失礼しました」
「でもアタシ達が許可を頂いて来たら、絶対っ! 絶対に弟子にして貰いますからね? 約束ですよレイブさんっ! アタシはレオニー村出身のサンドラ、覚えていて下さいよっ!」
「申し遅れましたが俺はジョディです、出身はブレイブニアの里、サンドラと同級生の四回生です」
「お? お、おう、そうだな…… 判った覚えておくよジョディとサンドラだよな」
「はいっ、一旦失礼します」
「ふんすっ!」
なんとなく手を振りながら彼らを見送っていたレイブの背後に、音も無く忍び寄っていた少年が小さな呟きを発する。
「俺も必ず許可をもらって戻ってきますよ、お忘れなく、俺はランディ、ランディ・スカウトです」
レイブは一切気配を感じなかった事に戦慄を感じながらも何とか答える。
「あ、ああ、ランディ君か、判ったよ、君の事も覚えて置くとしよう…… ふぅ~」
ランディ少年はニッコリと微笑んだ直後、かき消える様に姿を失して、次の瞬間には先を歩くジョディとサンドラの横に並んだのであった。
目を剥いて驚いているレイブに対して、残りの生徒達は一斉に頭を下げて先行した三人の後を追って走り出している。
「はぁ~、弱ったな~」
遠ざかって行く彼等の背を見つめながら呟いたレイブの顔を下から見上げながらラマスが聞く。
「どうしたんですか叔父様、弟子入りしたい人が沢山来たんですよ? 良い事じゃ無いんです?」
腕を組んで返した言葉はこうである。
「うーん、急に弟子とか言われてもなぁ~、ラマスにだって何を教えているって訳じゃないだろう? 一体どうすれば良いのやらぁ…… 彼等彼女等もここに住ませて一緒に生活する位しか思いつかないんだけどなぁ~、パリーグ姉さん達が許可しちゃったら取り敢えずそうしてみるしかないかな?」