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「ねえ、なんか最近まろと初兎ちゃん、距離近くね?」
「だよね?いふくんがあんな甘い声で『初兎』って呼ぶのおかしいもん。あれもう完全に彼氏ムーブじゃん」
とある日の夕方、リビングにいたりうらとほとけが耳打ちしあう。
「てか初兎ちゃんもさ、あれ明らかに動揺してるのに否定しないのやばくない?昔の初兎ちゃんなら顔真っ赤にして否定してたよね?」
「……あれは、確実に何かある(確信)」
ソファで雑誌を読んでいたないこがページをめくる手を止めて、ぽつりと言う。
「なあ、今夜0時、ちょっと試してみる?」
その一言で、作戦が動き出した。
深夜・初兎の部屋前
(カチッ)
時計が0時を指した直後——
「初兎ちゃ~ん、今起きてる~?」
「あのさー相談したいことあってさ~」
「一緒に夜食食べよ?」
「てか、いふくんって彼氏だったりする〜?」
「ちょ、やめてやめてやめて!?なんで全員揃ってるの!?まろちゃんどこ!?まろちゃーん!!」
「いふくんは今いないけど~、僕らだけで話そっか♡」
「いやいやいや無理、俺今嘘つけないの!ほんとに無理!何聞かれてもぜんぶ答えちゃうからやめてってば〜〜〜!!」
「それってつまり、やましいことがあるってことだよね?(にやぁ)」
「うるさいりうら!ていうかまろちゃんとのことは誰にも言ってなかったのにぃ……!!」
「言ったァ!!」
「言ったね今!?いふくんとの”こと”ってなに!?付き合ってるの!?付き合ってるの!?!?」
「……0時ジャストに告白された……っていうか、バレて、で、でも、まろちゃんも好きって言ってくれて……で、そのまま、ぎゅーってされて……で……き、キスもされ……っ」
「キスーーーーーーーー!!!!」
「言っちゃダメって思ってたのにぃ〜〜〜〜!!!!」
初兎は布団に突っ伏してバタバタと暴れる。
その姿を、ほとけは転がって笑い、りうらはスマホで録音していた(※悪意しかない)。
「これ明日まろに送っとくね〜♡」
「やめてほんとにやめてぇええええええ!!!」
翌朝
「おはよ……って、どうしたの初兎。顔死んでない?」
いふが初兎の頭を撫でながら、優しく声をかける。
「うぅ……全員にバレた……0時襲撃されて……最悪……りうら録音してた……」
「あー、あれ送られてきたわ。可愛かった」
「うわああああああああああ!!!!」
「安心して、今夜は俺の部屋に閉じ込めとくから」
「まって、それはそれで困る!!それはそれで本音が止まらない!!」
「じゃあ、今夜はずっと聞いてあげるよ。初兎の全部」
「だからそういうセリフやめてって言ってるのおおおおおおお!!」
その日から、“午前0時”は、いふと初兎にとって秘密の時間じゃなくなった。
でも、恋人として、誰にも隠さなくていい時間が始まったのだった。