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. 第二話 .
. 題 : 約束 .
. cp : a + s × n .
. バース : テイル .
. side : A .
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潜在性別
A : リード
S : テイル
N : シッター
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ー 中学時代 ー
中学二年生の春、俺は初めて和也くんに会った。友人とはクラスが別れてしまい、俺はクラスにそれほど馴染めなかった。
和也くんは俺の後ろの席で、俺とは違って人と話せて、そこそこ人気もあった。
俺が別クラスにいっていると大体俺の席は誰かに座られていた。
正直、羨ましいくらいだった。
個人交流の時、誰とも話せてなかった俺を見て、和也くんは話しかけに来た。
「何してるの?一人で。交流しないの?
中学生のその軽さと、ちょっとした優しさが、何故か嬉しく思えた。
「…いや、話せる人がいな…ぃ…から…
人見知りな俺は、目も会わせれなくて、おどおどしてしまった。
「じゃあ僕と話そうよ、ね?
和也くんは俺に笑顔を見せてくれた。いつも周りに向けてるみたいな。
「…はい。
それが嬉しくて、俺は口が緩んでしまった。
─それが、俺と和也くんの出会いだった。
それからは、和也くんが俺の部活に見に来てくれたり、昼休みや放課後も話しかけてくれた。
「相葉くん、バスケット出来るんだ。俺はできないからなぁ…羨ましい。
「別に、二宮くんは野球してたんだって?俺もやりたいなぁ。
「してたけど…(笑)そんなに上手くないよ?
最初はそれほど身長差はなかったものの、三年に近付くにつれて俺はいつしか和也くんの身長を超えていた。
「野球教えてもらいたいだけだよ。
「えぇ…(汗)、そうだなぁ…
顎に手を当てて和也くんは考え込む。その真剣な顔が、ぐっと胸に来た。初めての顔だったから、新鮮だった。
「でもぉ…先輩に言ったら?OKしてくれるかもよ?
「…ぁぁ、そっか。
そういうことじゃないよ。…なんてもやもやしながら和也くんと別れて家に帰った。
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それから、三年の時も同じような感じで、でも一年のとき一緒だった友達と一緒のクラスになったからあまり和也くんとは話せてなかった。
そうして三年の冬。クラス担任から志望校を決めておけと言われて、部活が終わったあと、そのことを友達と話していたら和也くんが話しかけてきた。
「ねぇ相葉くん。
「うん?…どうしたの。
暫くきちんと話せてなかったものの、和也くんはなにも変わってないように話しかけに来ていた。
和也くんと俺が知り合いなのを知って周りの友達は驚いていた。
「高校、どこに行くの?
「ちょっといいところ。
まさかそんなことを聞かれるだなんて─俺は驚いた。
「…ふうん、何高?
「┄┄高校。どうしたの?そんなこと聞いて。
「いや?、どこにはいるのかなぁって…相葉くんっておてんばだから
なんか隠してんな~とか思ってたけど、その時はあんまり気にしないでいた。
「おてんばって…(笑) 二宮くんは?どこ行くの?
「え?僕?…いとこと同じところ。
一瞬驚いた顔をしてたけど、“いとこと同じ”と言うと少し嬉しそうな顔をしていた。
その嬉しそうな顔は好きだけど、どこか嫉妬してる気持ちもあった。
「へ~…従兄弟って?
「…翔ちゃん。頭はいいけどどっか抜けてる人。
翔ちゃん…か、俺とは全然違うな…羨ましい。
その時感じた「羨ましい」は、初めて和也くんと会ったときの「羨ましい」じゃなくて、ずるい。みたいな「羨ましい」だった。
「翔ちゃん、へぇ…仲良いんだね。
「仲が良いというか…すり寄ってくるんだよ。翔ちゃん。
そのあとも、同じような話をして。…
「翔ちゃん」のことを嬉しそうに話す和也くんは今までとは違った雰囲気を感じた。
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. NEXT : A side.
コメント
1件
いやぁ、最高っすね笑