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ー 高校時代 ー
入学式。騒がしい校門に入っていく。大体、親子が一緒になって話しているところが多い。親は、今年は料理店の経営で忙しくて来れないと残念がっていたから、入学式俺は一人だった。
どんな人が居るかな、なんて思って見渡すと、先生のような、スーツを着て名札を首から下げている人と俺らと同じ新入生が仲良さげに話しているところを見かけた。
もうここの先生と仲の良い人なんているんだ。なんて驚きながら新入生の方に目をやると、なんだか見覚えがある後ろ姿が見えた。
─あれ、二宮くん?
え、あれ、二宮くんも行くって言ってたっけ?…従兄弟さんと一緒のって…
…理解が追い付かない。
従兄弟さんと同じ学校だったってこと?俺が?…どういうことだろう。
そうこうしていると、人混みが一気に動いた。きっと、入場確認が始まったんだろう。二宮くんを横目に俺も、その人混みに入って入場確認をする。
親がいないのは俺が初めてみたいで受付の人は若干困っていた。まぁ、入学式なんて大体親と来るもんな。
入学式場の入り口で、ちらっと後ろを見る。
…今度は顔をも見た。
やっぱり、二宮くん…だ。
どうして二宮くんがここに……
そんなことを内心思っていたからか、周りの言葉がほとんど耳を通り抜けていった。
入学式終わり、大体昼頃。写真を撮ったり色々で、校門はまた混んでいた。ふとふりかえって後ろを見る。
後ろで混雑が止むのを待っている二宮くんと目が合う。二宮くんは、「あっ」と言うようにして口を広げてはさっと目を逸らしてきた。
俺は、二宮くんが目を逸らしたことが気になって二宮くんの方に身体を向けると、二宮くんはそそくさとどこかに行ってしまった。
…ざんねんだなぁ。
ー 二日後 ー
入学式が終わって二日後、学校が始まる。慣れない教室で、友達ができるかは不安だ。
二宮くんも別のクラスみたいだから、話し相手もいない。
…頑張らないと。
HRが終わった後、一時間目は自己紹介とか…なんかそんなやつだった。前の人が自己紹介を終わらせる。
俺は、人見知りを押し殺して自己紹介をする。
「相葉雅紀です。趣味はバスケです。よろしくお願いします。
どこからともなく拍手が聞こええ来る。
心臓の鼓動が落ち着かない…やばい、めっちゃ緊張した。
全員の自己紹介が終わったところで、担任の先生からの話が始まる。
特にこれといった大事な話はなかった。
…まぁ最初だしな…
授業準備のとき、手荒いに行くふりして二宮くんの教室を覗く。
ん、仲良さそうに話してる…いいなぁ…
俺にはまだまだ難しいことをやってのけるだなんて…はぁ…羨ましいよ…
俺はまだ…まだ、二宮くんとはほど遠い感じがする…
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