テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
229
27
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
《真藤雪》
今頃莉奈ちゃんは何してるんだろ…
雪が降る空を俺はゆっくりと見上げる。
パラパラと落ちる雪は、俺の涙みたいでなんとも言えない気持ちになった。
俺は今まで誰かを追いかけたことがなかった。だって、俺は追いかけられる人間だったから。
いつでも完璧で誰からも好かれて、女の子達からは恋の目で見られて、男子達からは羨ましい目で見られる。
俺はそういう人間だった。
はずなのに…
俺は完璧だったのに…
莉奈ちゃんにだけは完璧になれなかった。
「莉奈ちゃん、俺とペア組まない?」
その時俺はどの子でもいいやって感じで近くにいた莉奈ちゃんに声を掛けた。
きっと、ほんと?!と喜んでペアを答えてくれるだろう。
俺は莉奈ちゃんがどんな顔をしているのか気になってゆっくりと視線を下げる。
周りからはきゃあきゃあと言う声が聞こえてなんだか気分が良かった。
「 私ですか?」
莉奈ちゃんは、キョトンとして俺の目を見つめた。まつ毛が長くてキラキラ輝く瞳。サラサラと揺れる長く薄茶色の髪。
あれ…
莉奈ちゃんって…こんなに可愛かったけ?
この時から俺は完璧じゃなくなっていたのかもしれない。