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氷乃は拓哉と教室に入る。
「何あの人…かっこいい」
ヒソヒソ話で女子たちが話し始める。
クラスの目線は全て拓哉に集められる。
「あんたやっぱりモテるね」
氷乃はそうボソッと呟いて自分の席に座った。
拓哉と氷乃は席が遠い。
拓哉は離れていく氷乃の後ろ姿を見つめていた。
(入学式後)
「じゃあ帰りに部活動見学したい人はして行ってください」
先生の一言で一気に教室中が騒がしくなる。
氷乃も鞄に荷物を詰め、立ち上がる。
「た…くー」
「市川くんっ!部活見学どこ行くの〜?」
氷乃が拓哉に話しかけようとした瞬間、横から女子が3人割り込んできた。
「市川くん!どこ中出身なの?」
「市川くん、拓哉くんって呼んでもいい?」
「ねえねえ!一緒に部活回ろ! 」
氷乃は何故か心の中がモヤッとした。
ただの幼なじみなのに…
「ごめん。俺他に回る人いるから。もう誘ってこないで」
拓哉のその一言でその場の空気が一気に凍る
「氷乃」
いつも氷乃を呼ぶ優しい声…。
「回ろうぜ?」
その一言に氷乃は大きく頷く。
「何あの子…」
「調子乗って…」
その時の氷乃の耳にはまだその女子が話している言葉は入ってこなかった。
「拓?どこ回る?」
「んーそうだなぁ」
ただいつもと変わらない会話だけが聞こえていた。