非公式cp物の小説です。cpはくもしんです。はい、くもしんです。なにそれ?って思った方は単行本第12巻を読みましょう。
アニメ未登場キャラだけどネタバレ要素はあんまない…はず。
・文章超拙い
・口調大迷子
・キャラ崩壊
・強制喫煙
・くっっっっそ長い
最初から最後までわけがわからん内容なうえに本当に長いんで流し読みするのをおすすめします。あと強制喫煙描写があるので苦手な方は引き返しましょう。最後ほんのりセンシティブとも言えないセンシティブ描写あります。ご注意を。
任務から戻り、休憩がてら喫煙室でタバコを吸う。大した娯楽もない研究所では、これがの唯一の癒やしであった。肺に溜まる煙は苦く、ほんのり甘い。特有の旨味と快楽に思わず目を細めた。
(うま…)
至福のひとときを堪能していると、喫煙室のドアが開く音が聞こえた。そこに立っていたのは第一隊長、桃林慎義。僕の上司だ。
「今日もお勤めご苦労だったな!久望くん!今、時間あるか?」
「おつかれさまです。今は空いてますけど。所長からの連絡ですか。」
「ああ、そうだ!伝言を預かってきた。よくわかったな!」
相変わらずテンションが高い。本当にあんたも任務に出てたんだよね?どうしてこうも元気なままでいられるのか。
「まあ、なんとなく…。で、なんて言ってましたか。」
「…….とのことだ。」
「了解です。」
話を聞き終わる頃には、先程ふかしていたタバコはほとんど灰になっていた。灰皿に吸い殻を捨て、新しいものを取り出す。それを見ていた隊長は何か気に食わないことでもあるかのように眉間にシワを寄せ、心配そうにこちらを見つめる。
「……ずっと気になっていたんだが、君はまだ二十歳だろう?若いうちからそんなに吸って大丈夫なのか?」
「全然大丈夫じゃないでしょうね。任務先でも鬼を捕獲するために吸いまくったし。」
僕の能力は喫煙中のみに発動するため、否が応でも吸わなければならない。間違いなく肺がボロボロになっているだろうな。
「…なら休憩中の喫煙はなるべく控えた方がいいんじゃないか?」
「…隊長には関係ないですよね。あんたは長生きしたいと思ってるようだけど、僕はそーゆーのどーでもいいんです。」
「それはそうなんだが……。なんか心配で。」
……?おかしいな。隊長は過度な心配性だが、それは飽くまでも仕事と自分に対してのみ。それらと関係のないことは一切気にしないと思っていたんだけどな。
「そう言われてもね。疲労感軽減のためですよ。」
「え!?疲れってタバコ吸ったら取れるものなのか!?」
なんでそうなる。言葉をストレートに受け取りすぎだろ。僕の言い方が悪かったのもあるけど、この人やっぱりアホだな。確かに僕のようなヘビースモーカーの精神的疲労は癒やすものの、タバコに身体的疲労を軽減する効果はない。
「その…一本頂いてもいいか?」
真っ直ぐにこちらを見てくる。これはあげない限り手を引かないやつだろうな。
「…どうぞ。」
タバコとオイルライターを手渡す。隊長はありがとう!!と明朗快活に礼を言いそれらを受け取る。些細なことのはずなのに、なんだか胸が温まるような感じがした。
「…あれ…火が付かない…」
「貸してください。…あー、オイル切れか。」
まあ、なんとなく切れかけている感じはしてた。仕方ない、自分のタバコの火を移そう。
「隊長、タバコ咥えてください」
「?わかった」
自身が咥えていたタバコを手に持ち、その先端を隊長が咥えているそれにあてる。ジュ、という音とともに火が灯る。
「火、つきましたよ。」
「………。」
「…隊長?」
顔を覗き込むと、そこには顔を真っ赤にして固まっている隊長の姿があった。わざわざ火をつけたタバコは床に落下してしまった。
「…え、どうしました?」
「……っえ…あ…何、して…」
なぜか滅茶苦茶パニクっている。僕、何かしたっけ?
「…なんで、わざわざキスなんて…」
きす…?何の話?もしかしてさっきのタバコの火移しのことだろうか。
「落ち着いてください。キスなんていつしたんですか。」
「さっき、たばこでじゅって…」
「…もしかしてシガーキスのこと言ってますか。」
「そう…!それだ!火がないからといっていくらなんでもそれは…」
「あのね、シガーキスとキスは全くの別物ですよ。恋愛感情がない者同士でも普通にやることです。てかさっきのはシガーキスでもなんでもないただの火移しです。」
「え!そうなのか!?」
どうやら名前にキスと付いているのでシガーキスも恋人同士でするものだと思っていたらしい。なるほど、こんなアホな思い違いをしていたからあんなに動揺して……
いや、本当にそれだけか?
「…勘違いをしていたにしてもあれは動揺しすぎじゃないですか?口くっつけた訳じゃあるまいし、仮にキスしちゃったとしても相手が好きな人じゃなければ事故で済ませ、て……」
隊長の顔が再び赤くなっていく。あぁ、そっか。だから僕の身体のことを異様に気にかけてたんですね。
「った、確かにそうだな!不測の事態だったからつい動揺しt
「隊長」
「…!」
「タバコ、吸いたいんですよね。」
「え?あ、あぁ。」
「それじゃあ、たくさん吸わせてあげますね」
どれだけの時間が経っただろう。タバコを吸ったかと思えばいきなりキスされ、副流煙を吸い込まされる。これをずっと繰り返している。一酸化炭素が肺の空気を奪ううえに、口を塞がれて呼吸ができないためとても苦しい。
「……んん”っ…ふ、ぅ…んぅ”」
「……はい、息はいて」
「っぷはっ!ゲホッゲホッゴホッ…はぁっ、はぁっ…」
「これで何回目ですか。ほんとに下手ですね。」
やめろと抗議したくて彼を睨みつけるが、案の定全く動じない。
「ほら、次いきますよ。」
「っもういい!いらない!もう十分!」
「全然十分吸えてないじゃないですか。いいから早く手どけて。」
首を思い切り横に振る。どうしてこんなことをするんだ。酸素が足りないのも、酷いことをされて腹が立つのに口づけをされて心の何処かで喜んでしまうのも、苦しくてどうにかなりそうなのに。お前のせいで感情がぐちゃぐちゃだ。鼻がツンと痛み、目頭が熱くなる。視界が滲むのは、きっと息苦しさのみのせいではない。
「…え…隊長…?そんなに苦しかったですか…?」
何も言わずにコクコクと小さく頷く。今口を開けば嗚咽が漏れ出してしまいそうだったから。
「すみません…やりすぎました。」
そう言うと、頬を包まれ、指で優しく涙を拭われる。あぁ、くそ、悔しいな。あんなことをされたのに、これしきのことで許してしまう。これが惚れた弱みってやつか。
「…はぁ…グズッ…本当、やりすぎだ大馬鹿ヤロー」
そう言った後意趣返しで鼻をつまんでやると、「う”」と小さく唸り、苦しそうに目を瞑った。なんだか可愛い。口元が自然と綻ぶ。怒りは完全にどこかに消え去った。
「頭冷えたか?」
「冷えました。本当すみません…まじで何やってんだろ」
「…どうしてあんなことをしたんだ?」
「わかんないです。あんたが僕のこと好いてるってわかったら抑え効かなくなって。」
「…は?」
君は何を言っているんだ。なんで俺が君のこと好きだってバレているんだ。いや、そんなことはどうだっていい。つまり、君も俺のことが好きということじゃないか。
本当はこの恋を諦める気でいたんだ。気持ちを打ち明けるつもりなんてなかった。関係が壊れるのを恐れたから。でも、もし俺の考えていることが正しいなら、諦める必要なんてないんじゃないか?
「あ、のさ、久望くん」
「なんですか。」
「俺は、その…君のことがす…すきで」
「知ってますよ。」
「だからといって深い関係になるつもりなんて無かったんだ。けど、やっぱり諦めきれない。俺と…その…恋人になってくれないか?」
「……は?」
あんなことされた直後に告白って唐突すぎるでしょ。なんでこのタイミングなんだ。隊長が何を考えているか全然わかんないよ。色々思うところがあるはずなのに、真っ先に思ったことが「恋人になりたい」だった。
「……は?」
意味がわからない。僕は面倒臭いことが好きではない。だから当然、恋愛なんて面倒なことをしたことはないし、しようと思ってもできなかっただろう。異性にも同性にも興味なんて湧きやしなかったんだから。なのにどうして、この告白を喜んでいるのだろう。どうして「恋人になりたい」だなんて思ったんだろう。どうして隊長が僕のことを好いているとわかった途端にああも冷静さを欠いたのだろう。これらの疑問はたった一言で完結する。しかしその結論は到底受け入れがたいものであった。仮に好きだったとして気づかないことなんてあるのか?というか「好き」の定義ってなんだ?恋愛経験が禄にないんだからこれが恋愛感情だなんて判断を僕ができるわけなくないか?僕の頭はパニックを起こした。
「……久望くん?大丈夫か?」
隊長の言葉でハッと我に返る。声の方を見ると心配そうな表情でこちらを見つめる隊長の姿があった。
「…隊長って、いつから僕のこと好きだったんですか?」
「…え?いや、それがわからないんだ。気づいたときにはもう好きになってた。」
「…それが恋愛感情だって、どういう理由で判断したんですか?」
「え、っと…誰よりも君のことを気にかけていたし、あとは、その…君となら恋人になりたいとか、っき、キスしたいって思えたから、そう判断した。」
「僕以外で好きになった人っていますか?」
「いない。久望くんが初めてだ。」
なんだ、そんな簡単に判断してしまってもいいのか。ごちゃごちゃとしていた思考が一気に整理される。今なら返事できる。
「隊長」
「どうした?」
いつから好きだったのかなんてわからないし、恋愛経験は禄にない。だけど、僕は隊長のことが好きだって断言できる。だって、
「僕も、あんたのことが好きです。僕のことを恋人にしてください。」
だって、恋人になりたいって、キスしたいって思ったから。
「…!あぁ、もちろんだ!これからよろしく頼む!」
End…?
「ちょっと待て!」
「嫌です。」
隊長と付き合い始めて二週間が経った。未だにキスは付き合ってから一回もしていない。僕が誘ってもこの人が断るからである。まあその理由はおそらく、恥ずかしいのが半分、タバコの煙を無理矢理吸い込ませたのが軽くトラウマになっているのが半分だろう。今まで申し訳なさで手を出すのをやめておいたが、もう2週間経った。いい加減キスぐらいしたっていい頃だろう。そう思った僕は、隊長を壁際に追い詰めるという強硬策に出た。
「本当に待ってくれ!なにする気なんだ!?」
「キスする気です。」
「っき…すって、まだ俺達には早いだろう!」
「付き合ってもう2週間ですよ。いい加減キスぐらいしてもいいと思うんです。」
「十分早いわ!」
「じゃあいつならいいんですか。」
「…3ヶ月?」
「おっっっそいわ。そんな待てるわけ無いでしょ。ていうか今のところ恋人らしいこと全くできてないですよね。」
「そ…れはそうだけど…だからといっていきなりき、キスするのは色々と過程をすっ飛ばし過ぎだ…」
わかってはいたが、この人はどうやら恋愛面でもだいぶ慎重な方らしい。慎重というより奥手と言った方が正しいか。この性格のお陰で僕達の関係は付き合う前と全く変わっていない。いい加減恋人らしいことをしたいと、自分の辞書にはなかったはずの「やる気」とやらを出して行動したわけだが。こんな行動力が自分にもあったのかと驚く。
「まあそれもそうですね。じゃあ、最初は何がしたいですか?」
「え、えっと…手を繋ぐとか?」
「わかりました。」
隊長の手を取り、指を絡めて、所謂「恋人繋ぎ」をする。隊長はたちまち真っ赤になってしまう。この顔久々に見たな。
「へ…?///ぁ、何、して//」
「手を繋ぎました。次はなんですか。」
「一旦待ってくれ…心臓が持たない…」
付き合う前に無理矢理とはいえキスしてるのに、手繋ぎごときでここまで動揺するものなのか。ちょっと奥手すぎじゃない?
「これだけでこんなうだうだしてたら日が暮れますよ。」
「そう言われても無理なものは無理なんだよ!君はなんでそんな平然としてるんだ…おかしいだろ…。」
「あんたのせいですよ。2週間もずっとおあずけくらってんだから。おかしくもなります。」
そう言うと、我慢しきれずに繋いでいる方の隊長の手にキスを落とす。視線を向けると、耳やら項やらまで真っ赤になっている姿が映る。こういう顔されるとまた暴走しそうになるからやめてほしいんだけど。
「…っ…おあずけって…犬か、お前は…」
「犬、ねぇ…。じゃあ、2週間も主人のしつけを守った利口な犬に、褒美の一つでもやってあげてくださいよ。」
「…っ、くそ…一回だけだからな…」
「…はは、…そんな顔見せといて、一回だけでやめられるわけないでしょ。」
「は?ちょ、まっ…ん”〜〜〜///」
隊長の猛抗議など無視して深く深く口づける。今まで我慢していたもの全部ぶつけるから、覚悟しといてくださいね。
End
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