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待ってコメントして少しだけいいね押して満足してた…!足りなかったのに書いてくれてほんとありがとうございます!!連載終了お疲れ様でした!とても面白かったです!
カラン。
そんな気の抜けた金属音がひび割れたコンクリートに響き渡った
「、、、、、、しぐま、くん?どう、して、」
崩れ落ちた身体を強く抱き締め、瞼を下した儘私は驚愕し唖然とする彼へと言葉を紡ぐ
「確かに、お前は人を殺した。だが、どんな悪人だとしても、人の命は奪われては決してならない
其れに、、お前、、いや兄さんは、十数年間散々な仕打ちを受けても決して自分の為に刃を振るわなかった。
それどころかずっと私の為に最善の選択を選び、護ってくれたのだろう?殺人鬼という重荷をずっと、背負わせてすまない
だから、私は兄さんを殺すなんてしない。」
全て、全て未熟な私に兄さんが教えてくれた事だ
「ありがとう、、、、ありがとう、、僕の人生が、産まれてきた全てが、無駄じゃ、無かったんだ、、、」
何時も、何時も我慢して、笑顔を見せていた兄さんの始めて見た泣き顔だった、
「兄さん、、、、、、。」
本当は、兄さんに言いたい事が沢山ある、幼少期から寄せていた思いの告白も含めて。
しかしこの思いは捨てることにしないといけないみたいだ。
彼にとっての私への愛情は”兄弟愛”であり、”相棒への愛”であって、決して色恋では無いのだから。
「最後に一つ、聞いていいかな?何故君は、私が此処に居る事が分かったの?」
それでも、私は、
「何言ってるんだ。兄さんは、私のたった一人の__じゃないか」
最愛の君へと純粋だったあの時の様な悪戯で子供らしさが残った笑みを零した。今度は、私が君を護る番だからな、
暫くすると、警察は二人を連行し私も聞き込みの為に署へと同行した
、、、、、きっと此処で司法の下で裁かれないと、彼は永遠に己の罪を悔み、苦しむだろう。
やっと見つけた私なりの愛情を、どうか、認めてくれ。
「如何やら、此れはもう要らない様だね。」
ゴーゴリは、大量の睡眠薬を濃縮したカプセルを踏み潰した。
結局、兄さんが密かに集めていた資料のお陰でフョードルの無罪は証明され、、、
本題の兄さんの裁判だったが、劣悪で苛酷な家庭環境により心神喪失の状態にあり情状酌量の余地があるとして、執行猶予が認められた
早速励ましにでもと彼を夜景の見えるレストランへと連れていくことにし、互いに食事の最中。
彼が二人の間に出来た隙間から出来た沈黙を掻き消す様に固く閉ざされた口を開く
「ねぇ、もし、僕が身を焦がす程の慕情を君に向けていたら、、、君は、どうする?」
隠し切れていない不安に揺らぐ瞳だけで、酔ってしまいそうだ。
此の明らかな純愛に唯返事を返すなんて野暮だろう。だから、返事等、要らない
最高級のデザートよりも何よりも甘いリップ音が二人だけの世界へと木霊して、私達の唇を淡く溶かす
ファーストキスは檸檬の味とは良く聞くが、、、どうやら私の場合は少しほろ苦い深紅の葡萄酒の味らしい。
廻り逢え無かった1000年と感じる程の途方の無い時間を埋め合わせる様に。
私達は森羅万象全ての垣根を越えて、チョコレゐトの様に甘ったるいヨコハマの夜に蕩けて交わった。
元、相棒 完。
♡が足りませんでしたが、書きたかったので書いちゃいました。