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儚 (はかな)
「‥‥痛っ!」
「叶さん⁈」
俺は叶さんの声を聞いて慌ててキッチンへ向かった
叶さんはシンクの前にしゃがみ込み、手を摩っている
俺が駆け寄り叶さんの前にしゃがむと、その下には俺を見上げるオトモがいた
「どうかしましたか⁈」
「ん?僕がここでおやつ食べてたらオトモが覗いて来たから、少し分けてあげようかと思って‥‥そしたら僕の指ごとかぶりつかれた」
「えっ?」
オトモは俺の足に頭を擦り付けながらゴロゴロと喉を鳴らしている
俺が頭を撫でるとその手をペロペロと舐め始めた
「何だよ、腹でも空いてたか?」
「なーぅ」
「ほら、叶さんに謝りな」
「なーぅ‥‥」
俺の側から離れずに叶さんに向かってひと鳴きすると、また俺の手のひらの下に来て頭を擦り付け始める
まったく‥‥
「大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だよ。少し強く噛まれただけだから」
「見せて下さい」
「なに?こやが舐めてくれるの?」
「そんな事‥‥しませんよ」
「してくんないの?」
噛まれた人差し指を俺の唇の前に差し出す
「やっぱり痛いかも」
「え‥‥血は出てないみたいですけど」
「なんかジンジンしてるかも。こやが舐めてくれたら治るかも」
「‥‥‥‥」
そう言われては俺も迷ってしまう
叶さんの手を掴み、そっと人差し指に口を近づけた
その時叶さんのもう片方の手が俺の頭の後ろへ回り、俺の唇は人差し指ではなく叶さんの唇に触れる
「あ‥‥んっ‥‥」
「やっぱりこっちが良いかも」
「んっ!‥‥んんっ‥‥叶さんっ‥‥」
すぐに何度も角度を変え、叶さんが俺の舌を追いかけてくる
俺は応えるように叶さんの舌に自分の舌を絡めた
「ベッドに行こうか」
「でも叶さんまだ‥‥」
「したくない?」
「‥‥‥‥」
俺は叶さんの肩に頭を預け、促されるまま立ち上がり廊下へ向かう
その時チラッと目についたソファーには、いつの間にか足元から消えていたオトモがキューブになって転がっていた
アイツも反省しているのかもしれない
そして叶さんが静かに寝室の扉を閉めた
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コメント
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かなかな誘うのうま~オトモも可愛いこやも可愛い天国♡