悲しい、だから自分は泣いていた。どうしようもないことのように感じた。本当に、自分がちっぽけでどうでもいい存在に思えた。でも、涙を流し尽くした後、案外残ったものはポジティブだった。なんとも形容し難いスッキリ感のあるなにか。それがなんなのかは全く分からないが、もしかしたら涙が嫌なモノを全て運び出してくれたのかも、なんてありきたりなことを考えてみる。ふと鏡が見たくなり、手に取る。顔をみると涙の痕がくっきり残っていて、傷跡のようだった。それを見て、この痕が治るころにはこの悲しさも笑い話になるだろうかと思案した。そうなった時、真にこの悲しさを乗り越えたと言えるように自分は生きていきたい。
コメント
1件
泣いた人の話