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白玉くん
103
碧
117
#らんいる
くらげ
55,576
夕暮れ。
廃ビルの窓から差し込む赤い光が、静かな部屋を染めていた。
らんが買ってきた薬のおかげで、いるまの熱は少しだけ下がっていた。
それでも傷はまだ癒えていない。
🎼🌸「もう少し休んで」
🎼📢「そんな暇はねぇよ」
🎼🌸「無理したら、また倒れるよ」
いるまは苦笑しながら頭をかく。
🎼📢「最近、お前のほうが保護者みてぇだな」
🎼🌸「誰のせいだと思ってるの」
二人が小さく笑った、その時だった。
――ピピッ。
机の上に置かれた通信機が鳴る。
いるまの表情が一瞬で変わった。
🎼📢「……まずい」
🎼🌸「どうしたの?」
通信機には、短い文章だけが表示されていた。
《居場所は特定した》
その直後。
遠くから車のエンジン音が響く。
一台。
二台。
三台――。
🎼📢「包囲された。」
🎼🌸「……!」
窓から外を見ると、黒い車が次々と廃ビルを囲んでいく。
黒い服の男たちが降り立ち、建物を取り囲んだ。
🎼📢「黒崎だ……」
らんの手が震える。
🎼🌸「どうしよう……」
いるまはゆっくり立ち上がり、深呼吸をした。
傷が痛む。
それでも表情は揺るがない。
🎼📢「逃げ道は一つだけだ」
古い設計図を床に広げる。
🎼📢「屋上から隣の建物へ飛び移る。」
🎼🌸「そんなの危険だよ!」
🎼📢「下は囲まれてる。今はこれしかねぇ。」
その時。
階下から扉を壊す音が響いた。
「探せ!」
「上だ!」
敵が建物へ入ってきた。
🎼🌸「もう来てる……!」
いるまは拳銃を確認し、深く息を吐く。
🎼📢「らん。」
🎼🌸「なに?」
🎼📢「俺が時間を稼ぐ。」
らんは首を横に振った。
🎼🌸「嫌だ。」
🎼📢「聞け。」
🎼🌸「もう置いていかれるのは嫌。」
いるまは少し驚いたように目を見開く。
🎼🌸「前は守られることしかできなかった。」
🎼🌸「でも今は違う。」
🎼🌸「俺も一緒に生きたい。」
🎼🌸「だから、一人では行かせない。」
静かな沈黙。
いるまは困ったように笑った。
🎼📢「……頑固だな。」
🎼🌸「いるまほどじゃない。」
その一言に、いるまは思わず吹き出した。
🎼📢「分かった。」
🎼📢「じゃあ約束しろ。」
🎼🌸「うん。」
🎼📢「絶対に無茶はするな。」
🎼🌸「いるまも。」
二人は小さく拳を合わせた。
その瞬間――
ドンッ!!
階下の扉が破られる音。
足音が一気に近づいてくる。
🎼📢「行くぞ!」
🎼🌸「うん!」
二人は非常階段を駆け上がる。
息が切れる。
傷が痛む。
それでも足は止めない。
屋上へ続く最後の扉を開くと、冷たい夜風が吹き抜けた。
目の前には、わずか数メートル先の隣の建物。
しかし、その背後からは敵の足音が迫る。
🎼📢「飛べるか?」
らんは隣の建物を見つめ、大きく息を吸う。
🎼🌸「……いるまと一緒なら。」
いるまは静かにうなずいた。
🎼📢「せーので飛ぶ。」
🎼🌸「うん。」
敵が屋上へ姿を現す。
「いたぞ!」
🎼📢「今だ!」
二人は手をつないだまま、夜空へ向かって力いっぱい踏み出した――。
コメント
1件
みぅです🥀第27話、読み終わりました。 一瞬の静けさの後に通信機が鳴って、包囲されて…って流れ、心臓がバクバクしたよ。 「一人では行かせない」って言うらんと、それに笑って応えたいるまの関係性がすごく沁みる…。 二人が手をつないで飛び込むラスト、めっちゃ熱いシーンだった! 次どうなるか気になって仕方ないです…!