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「「ねぇ!」」
「な、何?礼愛?」
「お、お、お、お姉ちゃんこそなーに?」
「・・・私達本当にちゃんと入れ替われるかしら・・・」
「あ、あたしも同じこと考えてたよ。でもきっと大丈夫!私達双子だよ!?」
「そうね。・・・でも不安だわ。礼愛、私のフリちゃんとできるの?」
「たぶん。ほら、声も顔も背丈も同じなんだからさっ。大丈夫だよ、きっと・・・」
「遊園地に着くまで練習しない?」
「そうだね。」
「じゃあ礼愛、私のフリしてみて。」
「う、うん!・・・お、おねぇちゃんデスワヨ!ノックする前に部屋に入ってくるんじゃアリマセンノヨ!!!」
「・・・私こんな風に見られてたの・・・と言うか、そんな変な言葉遣いしてないわよ!なによデスワヨって!」
「えー、お姉ちゃんこんなんだよ?」
「違うわ。」
「違くない!」
「もう・・・ですます調で話せばいいのよ・・・。最低限これだけやればバレないはずよ。」
「ですます調だけじゃないのにー」
「あーもー、分かったわ!彼氏と合流したら私がですます調だけで話すから!」
「え、そんな事できるの!?ってことはあの喋り方作ってたの!?」
「そうよ。私たち双子だから同じに見られたくないのよ・・・。キャラを作って演じてただけよ・・・。」
「ふーん。まぁ、私もお姉ちゃんとはちゃんと区別してほしいけどね。でも疲れない?」
「もう慣れたわ。と言うか自然とこれが基盤になったのよ。」
道を歩いている途中、私と礼愛は不安な事をお互いに話した。
結果的に話してよかった。
礼愛の私のフリは私じゃなかったから。
なんなのデスワヨ、アリマセンノヨって・・・。下手にもほどがあるでしょ。
だから私は提案したの。礼愛がちゃんと私の振りが出来るように「ですます調」だけで一日過ごすって。
なんで私がこんな話し方なのかは今から説明するね。
私達双子は同じに見られがちなの・・・。
そう、あれは中学の夏のお話。
私と礼愛はただでさえ似てるのに同じ髪型で、同じ喋り方で学生生活を送っていたの。
そしたら一人の男の人が私に告白してきて、その男の子を振ったらじゃあ礼愛で良い。って・・・。
あれを聞いて私怒ったの。同時にショックだった。
だから私はあの日を境にお嬢様口調で過ごすことにしたんだ。
そしたらこれがしっくりきて、お嬢様口調が私の基盤になり今に至るってわけ。
「お、お姉ちゃん・・・?どうしたの?暗い顔して。」
「ちょっとヤな事思い出していただけよ。」
「あー、あの男の子の事でしょ?」
「あの男の子・・・たぶんそれで合ってるわ。」
「後で聞いてあたしも嫌だった!」
「ほんとよね。」
「で、お姉ちゃん、あたしのフリできる?」
「私を甘く見ないで頂戴。・・・こほん。あ、悟(さとる)くん!ジェットコースター乗ろうよ!」
「すごい!あたしだ!」
「ふふんっ。」
「じゃああたしも・・・こほん。修也(しゅうや)くん、コーヒーカップ乗りませんか?・・・こんな感じ?」
「そうね。これでいいと思うわよ。」
「あ、遊園地に着いた。じゃあお姉ちゃんお願いします。」
「まかせなさい。」
遊園地についた。
彼氏たちは・・・まだいない。
私達はゆっくり待つことにした。