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魔法の申し子ルザクと、彼に振り回され、やがて神となる王国序章:無自覚な力の目覚め
この世界には、一つの奇妙な王国がある。その名は、ルザクの王国。その建国の礎は、決して王や宰相の明確な意思によるものではなかった。全ては、魔法の申し子である一人の青年ルザクが、ただ「面白い」と感じるままに行動した結果に過ぎない。彼の無自覚な行動が、やがて王国を、そして世界を揺るがすことになるとは、この時は誰も知る由もなかった。
ルザクは、生まれたときから「努力」という概念を知らなかった。彼の行動原理は、純粋な好奇心。目の前にある「面白い」と感じるものに、ただひたすら飛び込んでいくだけだった。だが、その純粋な行動こそが、常人から見ればまさに神業としか思えない偉業の連続を生み出していた。彼にとって、達成は常に「結果」であり、「目標」ではなかったのだ。
そんなルザクの隣には、いつも二人の幼馴染がいた。一人は、理知的ながらも危ういほどの探求心を秘めた、若き王**「雨栗」。もう一人は、冷静沈着で先を見通す才に長け、しかし内には熱い心を秘めた宰相「米将軍」**。彼らは、ルザクの規格外な才能を間近で見てきた、唯一無二の理解者であり、そして、もっとも彼の行動に頭を悩ませる存在だった。
幼い頃、三人で遊んでいた裏山で、ルザクが偶然見つけたのは、古びてはいるものの、微かに光を放つ一本の杖だった。それは、かつて世界を揺るがしたと伝えられる伝説の魔法の杖**「エーテルワンド」**。何万年もの間、誰も触れることすら叶わなかったその杖を、ルザクはまるで道端の小石でも拾うかのように、何の気なしに手に取った。その瞬間、天地を揺るがすほどの莫大な魔力がルザクの身体を駆け巡る。普通の人間ならば、その激流に飲み込まれ肉体が崩壊するか、精神が狂気に陥るか、そのどちらかだっただろう。しかし、ルザクは、まるで春のそよ風でも浴びるかのように、その膨大な魔力を何の苦もなく、そして何の問題もなく、瞬時に自己の内に吸収し、完璧に制御下に置いたのだ。隣で一部始終を見ていた雨栗と米将軍は、その信じられない光景に、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。
その日から、ルザクはまるで生まれたときから魔法を扱っていたかのように、あらゆる魔法を自由自在に操れるようになった。エーテルワンドは彼にとって「新しい遊び道具」であり、魔法の修行は「遊び」そのものだった。空気を震わせる火球、大地を凍てつかせる氷塊、瞬時に遠くへ移動する空間魔法、果ては時間を巻き戻してはまた進める、といった規格外の魔法を試す日々を送っていた。彼の振るう魔法は、世界中の魔法使いが彼の噂を聞きつけ、自らの限界を超えようと挑んできたが、ルザクは彼らを「少し手ごわい相手」「なんだか面白い人たち」とすら感じながら、一切の苦労なく圧倒的な勝利を収めていった。彼に挑んだ者たちは皆、ルザクの魔法が「次元が違う」ことを思い知り、畏敬の念を抱くと同時に、自らの魔法の道を見つめ直すことになった。
第1章:無自覚な建国と、振り回される王と宰相
当初、雨栗も米将軍も、国を建てるつもりなど毛頭なかった。彼らはただ、幼馴染であるルザクのあまりに規格外な才能を、世間の好奇の目や悪意から守り、彼が「面白い」と感じることを存分に楽しめる環境を提供したかっただけなのだ。しかし、ルザクの行動が、彼らの意図せぬ形で大きな波紋を呼んでいく。
ルザクは、ある日、たまたま通りかかった村で飢えに苦しむ人々を見た。「お腹が空いてる? 面白い!」とばかりに、彼は瞬時に肥沃な大地を作り出し、豊かな作物を実らせ、人々に分け与えた。別の場所では、魔物に襲われ故郷を失った人々を見つけ、「困ってるのか! もっと面白いことあるかな?」と、安全な空間魔法で広大なシェルターを作り、そこへ人々を保護した。さらに別の時は、難病に苦しむ子供たちを見て「これ、どうなるんだろう?」と、生命を活性化させる魔法を試行錯誤し、結果的に彼らを完治させてしまった。
ルザクが、そうやって苦しんでいる人々を助けるたびに、彼はその人々を「保護」し、彼らの生活を保証した。それは、彼にとって純粋な「面白いこと」の延長であり、困っている人を放っておけないという、ごく自然な感情からだった。しかし、その結果、ルザクの周りには、彼の圧倒的な力と温かさに救われた人々が自然と集まり始め、まるで磁石に引き寄せられるように、コミュニティが形成されていった。そして、そのコミュニティは、いつしか一つの強大な国となっていたのだ。
この状況に一番頭を抱えたのが、雨栗と米将軍だった。
「ルザク! また勝手に人々を集めて、まるで独立国家じゃないか! せめて報告くらいしてくれ!」と、雨栗は自らの研究室で資料の山に埋もれながら叫ぶ。
「落ち着けよ、雨栗。だが、ルザク。お前が保護した奴らの数は、もはや通常の集落の規模を超えてるぞ。早急に統治体制を構築しねえと、収拾がつかなくなる」と、米将軍は冷静ながらも額に汗を浮かべながら状況を分析する。
こうして、ルザクの無自覚な行動によって生まれた「国」を統治するため、幼馴染の雨栗が初代国王となり、米将軍がその補佐である宰相に就任せざるを得なくなったのだ。ルザクは「ふーん、面白いね」と、まるで他人事のようにその状況を受け入れ、そしてその国の国随一の魔法使いとして、今日も自由気ままに活動している。
第2章:王国の魔法使い、ルザクの日常と波紋
ルザクの日常は、雨栗と米将軍にとって、常に予期せぬ出来事の連続だった。
ある日、米将軍が「ルザク、隣国との国境問題で小競り合いが…」と報告しようとすると、ルザクは「えー、めんどくさいなあ。じゃあ、これでいい?」と、一瞬にして国境線をまるごと移動させ、紛争の種を根本から消し去ってしまう。米将軍は「おいおい、そこまでやるとはな…」と絶句し、雨栗は「くそっ、空間魔法の最大適用範囲が更新された! このデータ、すぐに論文にまとめないと!」と、慌てて記録を始める。
また別の日には、雨栗が「ルザク、この新開発の魔導具の実験に協力してくれ!」と頼むと、ルザクは「いいよー」と気軽に引き受け、その魔導具の限界をあっという間に超え、時には予想外の現象を引き起こして雨栗の研究室を半壊させることもあった。雨栗は喜びと絶望が入り混じった顔で「ルザク! 君はまた私の理論を打ち破った! 素晴らしい! でも、また片付けが…」と叫ぶ。
米将軍は、ルザクが起こす突拍子もない現象に、常に最善の対応策を講じるべく奔走する。例えば、ルザクが「面白い」と言って、空中に巨大な城を出現させたと思えば、それは人々が住む新たな土地となり、米将軍は急遽その管理体制や食料供給ルートを確立しなければならなかった。雨栗は、ルザクの奇想天外な魔法を解析し、それを既存の魔法体系に組み込むことで、国の魔法技術を飛躍的に発展させていく。
ルザクの「面白い」の探求は、王国に計り知れない影響を与えていく。ある日、ルザクは「地下には何があるんだろう? 面白い!」と、地中深くに巨大な穴を開けてしまう。その結果、王国は未知の鉱物資源や、古代文明の遺物、さらにはこれまで存在を知られていなかった地下生態系を発見する。これにより、王国は経済的に潤い、新たな技術革新が生まれる一方、その「穴」から出現する新たな脅威や、その資源を巡る他国との軋轢も生じ始める。米将軍は資源の分配と安全対策に頭を悩ませ、雨栗は古代文明の魔法体系を解明すべく、日夜研究に没頭する。
そして、ルザクは「このお菓子、もう一回食べたいな」と、誤って(彼にとっては純粋な欲求)過去の重要な出来事を巻き戻してしまい、歴史が変わる寸前になることもあった。例えば、隣国との和平交渉が始まる直前の時間を巻き戻してしまい、雨栗と米将軍は、再び交渉を軌道に乗せるために奔走する。この一件で、ルザクの魔法が持つ危険性を改めて認識した雨栗は、魔法の悪用を防ぐための理論構築と、時間魔法の法則解明にのめり込んでいく。
さらに、ルザクは「この魔物、なんだか面白い動きをするね」と、本来敵対するはずの強力な魔物を懐かせ、「共存」関係を築いてしまう。これにより、魔物を利用した新たな産業が生まれたり、これまで敵対していた種族との新たな関係性が構築されたりするが、同時に魔物の暴走を巡る不安や、他の人間種族からの反発も生じる。
人々は、ルザクの圧倒的な力と、彼の無邪気さ、そして彼を支え、振り回されながらも国を治める王と宰相の存在に、畏敬と親しみを込めて「魔法の申し子ルザクと、彼を支える二人の幼馴染の王国」と呼ぶようになった。ルザク自身は、そんな状況にもまるで気づかず、今日も「面白いこと」を求めて、この世界を気ままに旅している。
第3章:不老不死の始まりと、長き統治の道のり
ある日、ルザクが「人の寿命って面白いけど、最後は寂しいね」と、ほんの気まぐれで自分と、そして側にいた雨栗と米将軍に**「生命固定の魔法」**をかけたのだ。それは、時間の流れから生命を切り離し、老化を止める、不老不死の魔法だった。雨栗は自らの研究室で、米将軍は執務室で、その効果に気づき、愕然とする。ルザクは「これでずっと一緒に遊べるね!」と無邪気に笑うばかりだった。
こうして、三人の幼馴染は、永遠の時間を生きる存在となった。
当初、彼らはこの不老不死という運命に、それぞれの感情を抱いた。
雨栗は、不老不死という新たな現象を科学的・魔法的に解析することに没頭した。自身の肉体がもはや老化しないという事実に興奮し、無限の時間をかけてルザクの魔法の根源、そして世界の真理を探求できることに歓喜した。しかし、同時に、愛する人々が次々と老いていく中で、自分だけが置き去りにされる孤独感も密かに抱え始めた。かつて彼を慕った老学者が息を引き取った時、雨栗は研究室の窓から沈む夕日をただ無言で見つめていた。彼の好奇心は尽きなかったが、心の奥底に、人の世の儚さを知る哀愁が刻まれていった。
米将軍は、国の安定と、ルザクの「暴走」から人々を守るという使命感から、この不老不死を受け入れた。彼にとっては、永遠の時間が与えられたことで、より長期的な視点で国を運営し、ルザクの力を最大限に活かしつつも、その危険性を制御するための計画を練ることが可能になった。普段は臣下に対して冷静沈着な敬語を使う米将軍だが、幼馴染であるルザクと雨栗に対しては、昔と変わらず気心の知れたタメ口だった。「おいルザク、また勝手なことするんじゃねえぞ。雨栗も、また変な研究に没頭して寝不足だろ」と、彼らを心配し、時には厳しく叱咤する。だが、家族や友人との別れを何度も経験する中で、彼の冷静な心にも深い哀愁が刻まれていった。彼は、かつての戦友の墓前で、静かに酒を捧げる日が増えていった。
そしてルザクは、不老不死という概念すら「面白い」としか捉えていなかった。彼の好奇心は尽きることなく、時間という制約から解放されたことで、さらに自由奔放に魔法を試し、世界中を「面白い」で満たしていった。
長きにわたる統治の中で、王国はルザクの無自覚な魔法によって、驚異的な発展を遂げていった。空に浮かぶ巨大な都市群**「ルザク浮遊島」**は、彼の気まぐれで生まれた新たな居住地であり、他国からは羨望と畏怖の的となった。雨栗はルザクの魔法を体系化し、新たな魔導技術を次々と生み出し、米将軍はそれらを国の発展に繋げるべく、盤石な統治体制を築き上げていった。
しかし、幾世紀もの時が流れる中で、不老不死の彼らと、移り変わる世界との間には、少しずつ溝が生まれていく。かつての友人や臣下の子孫たちが、彼らを「生ける伝説」、あるいは「神に等しい存在」として崇め奉るようになり、親しい幼馴染としての関係性は薄れていった。それでも、彼ら三人の間には、何千年もの時を共に生きた、揺るぎない絆と理解が確かに存在し続けていた。
第4章:永遠の「飽き」と、神への渇望
何千年もの時が流れ、王国は宇宙進出を果たすほどの超文明国家へと発展していた。ルザクの魔法は、もはや世界のあらゆる法則を捻じ曲げ、新たな法則を創造する域に達していた。彼は、宇宙の彼方の星々を巡り、異次元の存在と交わり、過去と未来を自在に行き来した。
そして、その果てに、ルザクは**「飽き」**を感じ始めた。
あらゆる知識を手に入れ、あらゆる現象を経験し、あらゆる「面白い」を体験し尽くした彼の心には、これまで感じたことのない、虚無感が広がり始めていた。以前はどんな些細なことにも目を輝かせていたルザクの視線が、次第に一点を見つめるようになる。
「なんだか、全部知っちゃったな。もう新しい『面白い』がないや」
そう呟くルザクの顔には、かつての純粋な輝きではなく、どこか倦怠の色が浮かんでいた。
雨栗と米将軍は、ルザクのこの変化に気づいていた。長きにわたる不老不死の生活の中で、彼ら自身もまた、人間の限界を超えた孤独と、存在意義の問いに直面していたからだ。特に雨栗は、ルザクの魔法の究極の形、そして彼自身の存在の真理について深く考えるようになっていた。
ある日、ルザクは二人に語りかけた。「ねえ、もっと『面白い』ことってないのかな? 世界の法則とか、宇宙の始まりとか、もっと深いところから見てみたいんだ」
その言葉に、雨栗の脳裏に一つの可能性が閃いた。「ルザク、君はもはや、この世界の法則を司る存在だ。ならば、自ら法則となり、世界そのものと一体化する、という『面白さ』はどうだろう?」
米将軍は、雨栗の言葉の真意を理解し、静かに頷いた。「ルザク、お前ならそれができるだろうな。この世界を、文字通り『遊び尽くす』ってわけだ」
ルザクは目を輝かせた。「神様? 面白そうだ! それって、もっと色々なことを見たり、もっとすごい魔法を使えたりするのかな?」
かくして、ルザクは自らの意思で、「神」となる道を選んだ。それは、彼にとって新たな「面白い」の探求であり、宇宙の全てを遊び尽くした果てに辿り着いた、究極の「遊び」の形だった。
第5章:神となったルザクと、変わらない幼馴染たちの絆
ルザクが神となるその瞬間、王国は、そして世界は、かつてないほどの巨大な魔力の波動に包まれた。ルザクの肉体は光の粒子となって世界中に拡散し、彼の意識は宇宙のあらゆる次元へと広がり、世界の根源と一体化した。もはや特定の場所に存在するのではなく、あらゆる場所に偏在する存在となったのだ。
神となったルザクは、今や世界の「摂理」そのものとなった。彼の純粋な「面白い」という好奇心は、世界の創造と破壊、進化と退化のサイクルとして具現化されるようになった。ある日、宇宙の彼方で新たな星が誕生すれば、それはルザクが「光る玉、面白い!」と感じた結果であり、大規模な地殻変動が起きれば、それは彼が「大地が動くのって不思議!」と感じた現象だった。彼の無自覚な神意は、時に奇跡を、時に災厄をもたらしたが、それは全て彼にとっての「遊び」であり、「探求」であった。
そして、地上に残された雨栗と米将軍は、神となったルザクの「神託」を司る者として、引き続き王国を統治することになった。彼らの存在意義は、もはやルザクの「暴走」を管理するだけでなく、神となったルザクの意図を汲み取り、それを人々に伝える役割へと変貌したのだ。
米将軍は、冷静沈着な分析力と、ルザクの性格を深く理解している洞察力で、神となったルザクの行動から神意を読み解く**「神託解析者」**としての役割を担った。彼が解釈する神託は、時に矛盾し、時に不可解だったが、彼はその全てを国の発展と人々の幸福に繋げるべく、最善の道筋を探り続けた。彼は、神となったルザクの「面白い」が、人々にどのような影響を与えるかを常に予測し、危険を回避し、恩恵を最大限に引き出す戦略を練り上げた。
雨栗は、神となったルザクの魔法の根源、そして神の摂理そのものを探求する**「神理探求者」**としての道を極めた。彼は、神となったルザクがもたらす現象を分析し、それを新たな魔法体系や科学技術として確立していくことで、王国をさらなる高みへと導いた。彼の研究室には、常にルザクの神意によってもたらされた不可解な現象のデータが溢れ、彼は神の領域に触れることで、かつてないほどの興奮と、同時に深遠な畏敬の念を抱いていた。
彼らは、神となったルザクと直接言葉を交わすことはなくなった……かに見えた。
しかし、ある日、雨栗の研究室に、半透明の光の粒が集まって、懐かしいルザクの姿が形成された。
「やっほー、雨栗! 神様も結構面白いね! でも、やっぱり直接話す方がもっと面白いや!」
ルザクはそう言って、以前と変わらない無邪気な笑顔を見せた。
その光景に、雨栗は呆れながらも喜びの声を上げた。「ルザク! 君は神になっても相変わらずだな! しかし、その物理的顕現は私の理論をまた覆したぞ!」
米将軍の執務室にも、時折ルザクはひょっこり現れた。
「米将軍! 今ね、星の創造を見てきたんだ! もっとすごいことできるかな?」
「ルザク、お前は本当に……。神になっても俺たちを振り回す気か? まあ、お前が無事なら何よりだ」
米将軍は、神となったルザクの出現に内心で驚きつつも、いつものタメ口で返し、どこか安堵した表情を浮かべた。
そう、ルザクは神となっても、彼らとの幼馴染としての絆を忘れていなかったのだ。彼の存在は世界の摂理そのものとなったが、彼の意識の片隅には、常に雨栗と米将軍という、最も「面白い」と感じてきた幼馴染の存在があった。だからこそ、彼は必要とあらば、あるいは「面白い」と感じれば、いつでも彼らの前に姿を現し、言葉を交わすことができたのだ。それは、神と人間(不老不死だが)という、途方もない隔たりを超えた、彼ら三人にしか許されない特別な繋がりだった。
人々は、神となったルザクの存在を「摂理の神」として崇め、彼の神意を解釈し、時に直接「神の声」を聞く雨栗と米将軍を「神の代行者」として深く尊敬した。ルザクの王国は、もはや単なる国家ではなく、神意によって導かれる、奇跡に満ちた唯一無二の文明として、宇宙にその名を轟かせた。
エピローグ:永遠に続く「面白い」の探求
神となったルザクは、今も「面白い」ものを探し求めて、宇宙のあらゆる時空を旅している。彼の「遊び」は、新たな星の誕生、文明の興亡、そして生命の進化といった、途方もないスケールで続いていく。
そして、地上では、不老不死の幼馴染である雨栗と米将軍が、神となったルザクの意図を汲み取り、王国を導き続けている。彼らの間には、直接的な会話がなくとも、長きにわたる絆と理解がある。そして、ルザクは、飽きればいつでも彼らの元へ帰ってくる。相変わらず、米将軍のタメ口と、雨栗の興奮した声が彼を迎えるだろう。
ルザクが起こす新たな「面白い」現象が、王国に、そして宇宙にどのような波紋を広げるのか。それは、彼ら三人の、永遠に終わらない物語の始まりに過ぎないのだ。