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「それにしても…… 見た目や声は兎も角、魔力紋まで全く同じ何てこと、ありえませんわ」


ラマシュトゥの言葉にシヴァも頷いて同意を示し、バアルが言葉を引き継ぐ。


「確かに妙だね? 普通は天体ごとの組成や大気圏に突入した時の状態なんかで変わって来る物だから、他者と同じ何てことはあり得ないんだけど…… そうだ、アヴァドン! 君とアルテミスって双子だったよね? 君達って魔力紋が同じとかって事は無いの?」


アヴァドンが首を横に振って答える。


「残念ながらまるっきり違うのだ、大気圏に当たる迄は一つの天体だったのだが、突入時の熱にやられて二つに裂けた、その後地表に衝突した場所が違ったからな、魔力紋には地球の磁力も関係してくるんだ、まるっきり同じなんてありえんよ」


「ふーん、そりゃそうだね…… 妾(わらわ)もわからないな……」


「ですわね……」


やはり、偽ルキフェルの謎は簡単に解けそうに無いようである。

コユキがいつもの様に仲間達に向けて言うのであった。


「んまあ、いつか分かるでしょうよ、んな事より今は出来る事に一所懸命! それが『聖女と愉快な仲間たち』のモットーじゃない! えっと、今出来る事ってなんだろ、善悪?」


コユキの言葉に元気付けられた訳では無いだろうが、話が行き詰っていたせいもあるのだろう、全員がリーダーの顔を見つめる中、話し始める善悪であった。


「そうでござるな、アスタの時と同じでござるが、あっちでの依り代を何にするか、これも結構重要でござろ? 小生のお薦めは『悪魔もぐら』でござるよ、残念ながら片手が不自由になってしまうのでござるが可愛い女装男子でござる! どうかな? バアル?」


まだ諦めていなかった様である、しつこい坊主だなぁ。


しかし、意外にも真剣な顔で考え始めたバアルは、ややあって不気味な灰色の顔をぱあっと明るくして言うのであった。


「うん、決めた! 片手が動かなくて可愛らしい、いいね! 実に良いよ!」


「おお! 流石は賢い選択、バアル君でござるよ! どっかの脳筋とは大違いでござる! では戻ったら早速――――」


「ほら、ハミルカル! フランスのラオンに居た左手が動かせないあの可愛い子の部品があったじゃないか! 妾、あの子を依り代に決めたよ、どこに置いたっけ? あの子の眼球! 君に抉り取ってきてもらったんだよね、どこ? 」


眼球…… 抉り…… 流石は悪魔だな……

狂信者にしてこちらも悪魔、ハミルカルは極々当たり前の風情で答えた。


「ああ、ニコール・オベリーの眼球でしたら、ほら、テュロスのメルカルト神殿に移したじゃないですか? 二十何年か前にカーリーが持って来た死蝋(しろう)、永久死体と一緒に…… 封印の中の方が安全だとか言ってたじゃないですか」


「ああ、そうだそうだあの聖女と聖戦士の『栄光の手』と一緒にね、なんだっけ? アリシアちゃんとラーシュ君だっけか? あの二人の魂を使ってアスタの復活の切欠(きっかけ)にしたんだったよね? あれ? アスタのその姿ってサウル王だよね? って事はあの二人って復活してる? のかな」


ああ、なるほど、アスタロトをプスッといった時の二つ余分だった魂魄、あれがアリシアとラーシュの物だったのか、納得である。

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