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🌻 side.
目の前には少し髪の毛が荒れているペリドット。
私を見つめている。諦めたような顔で、虚ろな目で。
「お前もどこかへ行くんだろ」
『そんな事ないよ。』
嗚呼、何回この会話をしたんだろうか。
私は監禁されてから愛する母国にも帰っていないというのに、なぜ目の前のペリドットはそれだけでは足りないというのだろう。
『アーティー、愛してるよ』
ペリドットの隣へ行ってぎゅうっと抱きしめる。それでもペリドットは笑顔にならない。
「どうせ嘘なんだろ。お前もアイツみたいに…!!」
ペリドットは時々“アイツ”が出ていった事を頭を抱えながら嘆く。
毎年、決まった時期に。その時は無精髭を生やしたロン毛の男の人がご飯を置いて行ってくれる。
あの人は誰なのだろう、ボーッとしていたら目の前が一回転した。
ペリドットが私を押し倒している。顔が良く見えるなあ、整っているなあ、そう思った。
そしてまた、ロン毛男の事について思考を巡らした。…すると、ペリドットが私にキスをした。
「お前、誰のこと考えてるんだ?」
「俺以外の事を考えるな。」
『ロン毛の男の人について考えてて』
「…お前あいつと会ったのか」
嗚呼、私ってば馬鹿だ。なんで地雷を踏んだんだろう。