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花月夜れん
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鴨之助
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#塩レモン
comi
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「あ、目が覚めました?」
ルードが、起き上がりキョロキョロとあたりを見回している。まだ、夢の続きだと思ってるのかな?
「ルードさん?」
ポロポロポロポロ
あれ、また泣き出しちゃった? 涙がポロポロ溢れ落ちている。
「ルードさんもなでなでー」
さっきの流れで、私はルードの頭をもう一度ポンポン撫でてしまった。
すると、ピタリと涙が止まり、次の瞬間彼の顔が耳まで真っ赤になった。
「あの……、リサ様」
「あ、ごめんなさい。泣いていたものだから、つい――。身体は大丈夫ですか? 毒は浄化したんだけど」
「毒――」
「さっきの狼達、爪や牙に毒があったみたいです」
「リサ様が浄化を?」
やっと、状況を掴めたのか急いでルードはベッドから立ち上がろうとしたので、私は手で静止した。
「急に立つと危ないですよ! ゆっくり」
彼は素直に、立ち上がるのを一旦とめて、ベッドに座った状態で頭を下げていた。
「申し訳ございません、一度ならず二度も……」
正確には三度目だけど、これは黙っておこう。傷に余計塩を塗っちゃいそう。
「リサ様のお手を煩わせてしまい――」
「あの、気にしないで欲しいです。っていうか、私達、旅の仲間じゃないですか! 助け合うのは当たり前のことですよ」
「しかし!」
「じゃあ、今度はルードさんが助けて下さいね。それでおあいこです!」
ルードが顔を上げ、私の顔をじっと見てくる。
キラキラしたオッドアイの眼が綺麗だなー。
「私は――」
何か言おうとして、言葉に詰まっている。
「あ、無理にとは言いません。ルードさん、詰め込みすぎないで下さいね。律儀すぎるからしんどい時あると思いますけど、ルミナに言ってたように、もっと自分に自由をあげて下さい。リードさんはリードさん! ルードさんはルードさん。それぞれ違う人間です」
「っ――!」
「私は、ルードさんと一緒に旅が出来て良かったって思ってますよ。魔法のことも教えてもらったりできて」
そう、リードだと、言葉が続かなさそう……。あの、無口さ……。沈黙はつらい! もしかしたら、他の人に対しては違うかもしれないけれど……。
正直、精霊に全スルーされた時のつらさに似たあれは、あまり何度も経験したくないです。
視線をまっすぐこちらにむけながら、自分の手をぎゅっと握りしめ、ルードは言った。
「リサ様、……ありがとうございます。必ず、お返し致します」
「あ、だから無理には――」
「いえ、私がやりたいのです」
少し、はにかみながら彼は笑った。
それを腕の中で眺めていた、猫アリスは不機嫌そうに大きく一度あくびをして、顔を埋めていた。
コメント
1件
「ルードさんはルードさん!」ってリサ様が言ったところ、すごく沁みました。自己否定してたルードに「そのままでいい」って伝えるのが、優しさだけじゃなくて覚悟も感じられて。最後の猫アリスのあくび、あれも絶妙な間というか、温かい空気を壊さない絶妙なクッションになってて好きです。二人の距離がまた一歩縮まった、じんわりいい話でした。