テラーノベル
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集合場所、午前4時20分。大人達はまだ数人しか来ておらず、それもワタシ達が逃げ出さないかの見張りだけ。
だがワタシと同じくらいの子供達は怯えたように急いで来ていた。
「怖がっても何も変わらないのに。」
そんなワタシの呟きは広い集合場所に落ちて誰にも拾われなかった。
そんな事を思っているのはワタシと同じく幼い頃に攫われ、年内に価値を証明してみせた“優良種”位だろう。
いつも思っているが、ここは正しく地獄だ。利用できなくなればサンドバッグから性処理まで何でもやらされる。
利用できるのならば人を殺させられ、どちらにしよいつ死ぬかも分からない生活を続ける事になる。
「はは、やっぱりどっちもどっち。」
当たり前だと再認識した最悪な事実に自嘲の笑みを浮かべた。呟きは小さかった。
「時間だ。」
その聞き慣れた大きい声に思考の海から引き摺り出される。
「点呼!」
1024番。それがワタシに割り当てられた番号。ワタシは1000番から1200番までのグループに所属している。
順に番号を呼ばれて、呼ばれたら返事をする。遅れてきた者への懲罰や訓練内容の通知等もここで済ませる。 今日は遅れてきた人は居ないようだ。
いつも通りの作業。苦痛でも愉快でもない、ただの日常。地獄の始まり。
どこで役に立つのか良く分からない、ただの上官達の憂さ晴らしみたいな“訓練”
例えば、大きな松明を体に押し付けられ て、泣いたモノは処分される。
銃口が不用品の眉間に突きつけられて、パンっと軽いような重いような音がして、花が咲くように肉片が散る。
過去に見た、“彼岸花”という花がそっくりだった気がする。他にも意味が分からない命令をこなして生き残る。
本当に面倒な毎日だ。こんなことなら死んだほうがよっぽど、とそんな考えを持つのももう飽きた。
地獄はここより辛いんだろうか、それともマシだろうか。どっちにしろ人殺しの私が堕ちるのは地獄だけ。
どうせなら、まだ耐えれるこの地獄に浸っていたい。そんな思考で生きてきた。
この考えに光が差し込んで色が付いたのは、忘れられないあの日。
あぁ、言い忘れていた。
これは、ワタシがあの日貰った光をちゃんと愛せるようになる物語であり、色が灯った世界で笑う物語である。
コメント
1件
うわ、これ…重いね。でもすごく引き込まれた。 「彼岸花」って表現が銃撃の瞬間の比喩なのが、すごく残酷で美しくて、心に残った。 主人公が「まだ耐えれるこの地獄に浸っていたい」って諦念と覚悟を抱えてるのに、最後の〝光をちゃんと愛せるようになる物語〟って一文で、これから何か変わる予感がする。続きが気になるなあ。