葛葉 「 事件ファイルに “死因が書いてないこと” だ。 」
葉加瀬 「 死因が … なんでそれで溺死になるんですか? 」
葛葉 「 遡ったらちーさんのファイルが見えるんだけどさ、ちーさんの方にはちゃんと書いてあるんだよ。死因だけじゃなくて死亡場所とかさ。 」
長尾 「 そぉそぉ、死亡場所が倉庫って書いてないってことはー プールで死んだ可能性もあるっしょ? 」
不破 「 その証拠にプールサイドで大きく湿ってる部分がありましたし 」
弦月 「 なるほど … 確かに根拠としては十分だね。 」
椎名 「 死因が重要な手掛かりになるから表記しなかったって可能性も高いしなぁ〜 」
剣持 「 仮に失血死だったとしても、プールに漬けたんならプールに血が混ざってるはずだし … 」
皆がファイルを確認しながらそう言った。
叶 「 … この “死亡確定時刻” って何? 」
不破 「 多分溺死なら心肺蘇生が出来るから助かる可能性があったってことじゃないかって … 話よね? 」
葛葉 「 あぁうん そう 」
叶 「 なるほど … 」
加賀美 「 じゃあ … 死亡確定時刻が22時半なので、その時刻辺りのアリバイを聞きましょうか。 」
伏見 「 あー … 一応昨日、もちさんプールに探索しに行ってます 」
剣持 「 …… あぁうん、そうですね。夜時間前には確実に帰ってるけど。 」
不破 「 俺たちは昼に行ったな。 」
三枝 「 そうね 」
星川 「 星川は食堂に居たけど … 」
本間 「 あ、居たのはひまが見たで〜 」
加賀美 「 私は … 廊下で歩いていた時に人影を見ました。丁度22時半過ぎとかに … 。 」
弦月 「 他は … 寝てたり部屋に居たりって感じですか? 」
葛葉 「 多分そうだろ、皆頷いてるし。 」
長尾 「 意外とプール行ってんねぇ、この通りなら犯人は 夜時間辺りにプールに行ったってことか? 」
弦月 「 そうだね … 。今言った誰かがプールで犯行に及んだ可能性は勿論あるけど。 」
夕陽 「 加賀美さんは人を見たらしいですが … 誰かは分からなかったんですか? 」
加賀美 「 ええ … 人影ですので。でもあれが犯人だと思います。 」
叶 「 … でも、それって可笑しくない? 」
葛葉 「 何が? 」
叶 「 ほら、よく考えてみてよ。 」
「 死亡確定時刻は22時半で、社長がその人を見つけたのは22時半近くなんでしょ? 」
葛葉 「 そうねぇ 」
叶 「 死亡確定は溺死の時なんだから、その後偽装工作をしてるはずじゃん。だから、その時に犯人を見付けるのは可笑しいんだよ。 」
「 まぁ … 、偽装工作のための武器を取りに行ったとかなら有り得なくないし、犯人じゃないならこれも関係ないんだけどさ。 」
長尾 「 うーん … そうか。 」
本間 「 社長頑張って思い出して〜! 」
加賀美 「 そんな無茶な … w あ、でも … 水が滴っていました。 」
叶 「 じゃあ犯人かな。 」
葛葉 「 犯人だわ 」
弦月 「 じゃあそれが犯人だとして … 、誰なのかだよ、やっぱり。 」
長尾 「 現場のことについて考えたら何かあるかもなぁ。 」
月ノ 「 …… あ、そうだ。言われてみたらって感じですけど … 良いですか? 」
椎名 「 なんや〜? 」
月ノ 「 薄茶っぽい髪の毛が落ちてたんです。 」
葛葉 「 髪の毛ぇ? 」
月ノ 「 はい、滅茶苦茶長いわけじゃないんですけど … だから多分男性かなーって 」
「 男性陣の髪の毛を見れば何となく … というか、信じられないんですけど、思い当たる人物が … 」
葛葉 「 … 誰?」
月ノ 「 …… ふし 」
剣持 「 ちょっと待ってください 」
長尾 「 … あ? 」
剣持 「 捜査中に落ちた可能性だってあるじゃないですか。委員長は発見からどのくらいの時に見つけたんですか? 」
月ノ 「 え? えっと … 20分はあったと思います。 」
剣持 「 その時 誰がいた? 」
月ノ 「 ほとんど全員いました。 」
剣持 「 ならその時に落ちても可笑しくはないでしょ、髪の毛で犯人を候補として挙げるのは無理矢理過ぎるって 」
本間 「 うーん … 難しいけど、言いたいことは分かるなぁ 」
叶 「 じゃあ … しっかりした証拠が出せれば良いんだよね? 」
弦月 「 何かあるんですか? 」
叶 「 うん … あるよ。あるある。 」
葛葉 「 マジ? 」
叶 「 うん。これなーんだ。 」
葛葉 「 … 指輪? 」
叶 「 そう、指輪。プールサイドの水が流れてるところに落ちてたんだ。 」
「 委員長、さっき言いかけてた人の名前言ってみて? 」
月ノ 「 伏見ガク … ですけど。 」
叶 「 この指輪さ、ガクくんのと一緒なんだよね。 」
伏見 「 ……… えぇ? そうかなー? 」
叶 「 きっと同じだよ、確かめてみる? 」
そう言って叶はガッさんの横に立って指輪を見比べた。
それはしっかり一緒だった。
長尾 「 じゃあガクさんが犯人 … ? 」
伏見 「 そんな訳ないじゃないですかぁ、現に今指輪付けてますし。 」
剣持 「 うん … 似てるだけで違うんじゃない? 」
叶 「 これが確証して言えないんだよね … 何か理由があれば 証明出来るのに …… 」
「 ねぇ葛葉、分かる? 」
葛葉 「 えっ … とォ …… 。 」
あの指輪はガッさんの物、だけど、ガッさんは自分の指輪を付けている。
それがなぜか …… 俺は知ってる、いや、皆知ってるはずだ。見落としてるだけで。
さて …… なんだろう、過去のことをよく思い出してみるんだ。
コメント
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確かにがっくんに指輪が付いている けどそれが落ちていた どんどん謎が増えていって 面白くなって来ましたね! 推理するのが楽しくなりました これからも頑張ってください!