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勇斗side
移動中の新幹線で寝ようと思ったら後ろから女の子の赤裸々トークが聞こえてきた。
普段だったら絶対聞き流す様な内容なんだけど…
みく「この前久々に彼氏に会ったんだけど」
ありさ「あー遠恋だっけ?」
みく「そう。なのに来て早々ラブホに行こうって言われて…」
ありさ「あー…それはないわ」
みく「でしょ!そりゃさ、全然会えてなかったし私だってしたいよ?
でもさ、こっちは化粧とか服とかご飯とか
色々考えて準備してたわけよ。それを全部すっ飛ばしてさ…」
ありさ「うんうん」
みく「で、まだそんな気分じゃないって言ったら、もうそこからずっと不機嫌」
ありさ「う〜わ、サイアク…」
…まずいな。
俺もやったわ、この前。
まんま同じこと。
不機嫌にはなって…なかったよな?たぶん。
自分に照らし合わせてたら変な汗が出てきた。
目を閉じたてこめかみを指で押さえる。
頭が痛くなってきた。
あの時の柔太朗は確か…
❤️「どうしたん、勇ちゃん?」
隣に座っていた舜太が俺の異変に気がついて小声で話しかけてきた。
「や、後ろの話が聞こえてきて…」
❤️「どんな?」
「久々に会った彼氏がすぐラブホに行きたいって言ったとかなんとか」
❤️「…聞くんじゃなかった。え、後ろ?まだおる?」
舜太がサングラスをずらして座席の隙間から後ろを確認しようとする。
「…でもさ、それってそんなにダメ?」
❤️「えぇ〜っ」
「手っ取り早いじゃん、あ互いの気持ちを確かめるのにさ」
俺の発言に舜太は口に両手を当てて大袈裟に驚く仕草をした。
それから長い足を組み替えると顔を近づけて諭すように言ってきた。
❤️「あ〜、それはダメだよ、勇ちゃん。女の子の気持ち全然わかってないわ…」
「…マジか」
❤️「大事なのはここ(胸をトントンと叩く)だよ。女の子が大事にされてるって感じなくちゃ」
「そういうもんか?」
❤️「…ぶっちゃけ好きじゃなくてもさ、ヤレるじゃん」
「お、俺はちげーよ!」
❤️「俺も違うけど!一般論として」
ばしっと舜太に肩を叩かれた。
…ちょっと痛ぇ。
てか、なんで俺舜太に聞いてんだろ?
俺の方が経験あるんじゃねーか?
❤️「目に見えないものを示すのって簡単なことじゃないんだって」
「一応聞くけど、お前だったらどーすんの?」
❤️「それは…言葉とか、行動とか、プレゼントとか。あとは、言葉とか?…あるじゃん。
自己満じゃなくて、その人の為に時間やお金を使ってさ態度で示すんだよ」
今「言葉」って2回言ったぞこいつ。
てか…面倒くさ。
だって柔太朗は女の子じゃないし。
俺が何しても受け入れてくれるし。
…いや、待てよ。
本当はやりたくなくても俺に合わせてたとか?
だったらショックだわ。
でも確かに柔太朗から誘われたこと
…
……
………ない、かも。
「柔太朗見てんの?」
🤍「仕事終わりそう」
「あ、そうなんだ。来れる?」
🤍「何時までやるの?」
「そりゃーお前が来るまでだよ」
インスタライブ中に柔太朗のコメントに気が付いて、声をかけたらすぐに返事が来た。
30分後に現れた柔太朗からはお揃いのボディソープの香りがした。
耳の後ろに鼻を押し付けて匂いを嗅ぐ。
いい匂い。
「あれ?風呂入った?」
🤍「あ、うん。汗かいてたから…」
くすぐったいと首をすくめて俺の顔を手で押しやると柔太朗は配信画面から逃げて行った。
あいかわらず耳が弱いらしい。
🤍「で、今日は何するの?」
「えーっと、SNSで今バズってるチーズソパンを作ります」
🤍「チーズ!美味しそう」
「ただ!そのまま同じモノを真似して作っても面白くないので、佐野アレンジ入ります」
🤍「それがマジで余計なんだって…」
インスタライブは順調にすすみ(適当)最後にお互い食べさせあって終わった。
今日も食紅の魔術師として腕を振るったけど、見た目に反して美味しかった。
「あー楽しかった」
🤍「お腹よじれてつりそうなんだけど…」
目尻の涙を拭きながら柔太朗が笑う。
笑うと細くなる目も、左頬にできるえくぼも、口に手を当てて笑う姿も全部可愛いかった。
堪らず後ろから華奢な背中を抱きしめると、ピクっと柔太朗の体が反応した。
「泊まってくだろ?」
🤍「…いいの?」
「そのつもりでこんな時間に呼んだし。朝、家まで送るよ」