テラーノベル
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夕暮れのビルの屋上。風が少し冷たくなってきた頃。シズクは
フェンスに寄りかかりながら、マチの後ろ姿を見つめていた。
「マチ……もう、逃げないで」
シズクの声は甘く、わずかに震えていた。マチがゆっくり振り返る。いつものクールで気が強い表情が崩れ落ち、頰がほんのり赤い。
「逃げてなんかない。ただ……シズクがそんな目で見るから、アタシは困ってんだ」
二人は自然と距離を縮め、マチの背中が
フェンスに押しつけられた。シズクの手がマチの腰を引き寄せ、唇が重なる。
最初は優しく、確かめるように。
けれどすぐに息が混じり合い、
熱を帯びていく。マチの指がシズクの黒い服の裾を握りしめ、引き寄せる。
シズクはマチの首筋に唇を滑らせ、
柔らかい肌に軽く歯を立てた。
マチが小さく声を漏らす。
「ん……シズク、好き……」
その言葉にシズクの理性が真夏のアイスクリームのように溶けていく。
手がマチの背中を滑り、服の下に忍び込む。温かく滑らかな肌の感触に、二人とも息が荒くなった。屋上の薄暗がりの中で、互いの体温が溶け合うように重なり、甘い吐息と小さな喘ぎだけが風に混じった。
マチの瞳が潤んでシズクを見つめる。
シズクはマチの耳元で囁いた。
「ずっと、こうしていたい……マチは…アタシの…」
マチは恥ずかしそうに頷きながらも、積極的にシズクの首に腕を回した。二人の影は一つになり、夕陽が沈むまで、甘く淫らな時間が続いた。