私、太宰治の探偵社員寮に、私達は揃って屯していた。
普段、休日となれば中也のセーフハウスで過ごしているのだけれど、中也が急に「悪ィ、今日から一週間程泊めてくれ」と凸って来たので、歓迎したは良いものの、少しそわそわしつつ 形だけは寛いでいる状態を保っていた。
ちら、と中也の方に目を配れば、無言で、真顔で、真剣に電子機器と睨めっこをしていた。
ずっと見つめているものだから、気になってしまう。
…あ、善い事思い付いた。
「中也、早いうちにお風呂行って来たら?」
「ん、じゃ先に入って来るぜ。」
風呂へ行くように施すと、中也は了承し、直ぐ様風呂場へと向かった。
中也をこの場から撤退させれば良い話。
勿論電子機器は置いて行っている。
私は直ぐ様電子機器に飛びつき、電源を付ける。
おっと、ロック付きタイプかあ。
だが、私にはちょちょいのちょいだね。
秒でロックを解いて、彼の検索履歴を覗き見てやる。
その時、私は衝撃を受けた。
非合法組織、ポートマフィア五大幹部 中原中也の検索履歴には…
「猫 かわいい 画像」「動物園 かわいい 動画」などと云った、幹部様らしくない、可愛らしい単語が紡がれていた。
これには流石の私も目を見開いてしまう。
先刻、あんなに真剣に見つめていた画像がこれ類だと思うと……はぁ、本当可愛い。中也が。
否、もしかしたら違うものを見ていたのかもしれないけれど、検索履歴が斯うだと云う事に変わりは無い。
彼が風呂から上がったら、沢山弄ってやるとしよう。
「だざーい!!!!」
と思っていたら、風呂場から大声が聞こえる。何々何事何事。
風呂場へ向かっていると、或る考えが脳裏を過る。
…待って、あの蛞蝓 着替え持って行った?
「……ああ、もう…、全く手の掛かる…。」
私はそう呟き、己の私服を持ち 風呂場へ向かったのだった。
コメント
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ああ。やっぱり天使って辛い(?)
中也可愛ぃぃい そりゃ太宰さんも驚く.... 可愛いが大渋滞してる...
まだ 起きてたんカ …