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なんで呼んだのか、自分でもわからない。
【ロストクロック】第四話『ほんっとに言わなきゃ良かった』
「じゃあ自己紹介してない人はしちゃおっか。」
「はーい!私の名前は白川彩葉(しらかわいろは)!よろしくねお願いします!」
「私…桜木…優香。好きなものは…うさぎ…よろしくね。」
「おれは柊波留(ひいらぎはる)。よろしくね」
「えっと…時雨蓮。どうも。」
くらい緑がかった髪に赤色の瞳の少女と、薄いピンクに白い瞳の少女。
自己紹介をしろと言われたのでしたが、これで良かったのだろうか。
「とまあ自己紹介も終わったことだしさ、時雨くん。あの家の話、したら?」
「あ…」
しまった。こいつ覚えてたのかよ。
―もう日が沈み始めてきている。ここまで生きたのは多分はじめてだ。
「は?家ってどういう…」
そんな考えを、秋が遮る。まあここで溜め込んでも明に説明されるだけだ。
「えっと…俺、5人家族だったんで…まあ、もう家族はいないけど。そこで、五人くらいなら住めるから住むか?って話。」
「どうすか?波留さん。」
「え…でも迷惑じゃ…」
「ないっすよ。無駄に家広いんで。」
「じゃあ、いいんじゃないの?良いって言ってるなら」
どうやらその言葉が波留さんの背中を押したらしく、その波留さんの口から出たのは
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
「やった―!!!!広い家行ってみたかったんだよね~」
「はいはい、じゃあ、こっちに…」
______________________________
ガチャ
「「「「「おお〜」」」」」
全員が口を揃える。そして、全員が目を輝かせる。お母さんが好きだった花瓶や、妹が好きだったうさぎのぬいぐるみに興味を示していたり。皆が自由に見回る。
「俺の部屋以外ならどこ行っても構わないけど…物壊さないで―」
ドカン
「…は?」
「…あ、ごめん。落としちゃった。」
明が落としたものは、さっきまで俺が使っていたプラスチックのコップだった。
「お前…言ったそばからな…」
「ほんっとにごめんなさい()」
「はあ…とりあえず、俺の知ってること話せばいいんだろ?だったらそこ、座ってていいよ。」
そういって俺はソファーを指差し、自分は部屋へと向かう。
「さーて。」
これからどうしようか。見たところ彼奴等の記憶はない。
何をしていくか。
これから彼奴等が家に住む。やっぱり言わなきゃ良かった。