コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
いつも私は私の人生
何かっていうのはハッキリはしていないんだけど何となく想像がつく。
だって私、生まれてからずっと車椅子生活をしてるからみんなの方に歩いたり、走ったり運動ができない。それが私にとっては当たり前だけど、みんなからしたら当たり前ではない。そう気づいてしまったから何か足りないと思ってた。でもやっと今日分かった。
「あのすみません」
私は見ず知らずの人に声をかけた。
「ん?」
と聞き返される。
「私と会ったことありますよね!」
自分でも何を言っているのかが分からない。
「会ったことないと思うんだけどなー」
「ですよね本当私、何言ってるんだろう?」
気まずい空気を苦笑いでやり過ごそうとした。
すると遠くから
「おーい万次郎ー」
と呼ぶ声が聞こえた。私は根拠なしに知らないはずがないと思った。
「兄貴遅えよ」
駆け足で走ってきた。
「お客さんがバイクぶっ潰した状態で持ってきて本気びっくりしてさー」
と楽しそうの話しているこの人はバイク屋さんなのだろうと会話から分かった。
(この人、本当にバイク屋さんやってた?)
何も知らないのに何故か疑問を持つ。
「あれお前…なんでここに?」
と聞かれた。 懐かしさが胸いっぱいに広がった。気づくと私は泣いていた。
「うわっ何泣かせてんだよ真一郎」
「ええ?!俺のせい?えっと…○○顔上げて?」
焦ったように言った。
「やっぱり会ったことあるよね…」
私はそう言った。確かにさっき私の名前を呼んだ。やっぱり、万次郎には分かってもらえていない。私は聞きたかったことを聞いた。
「なんで真一郎死んじゃったの、?」
万次郎は驚いた顔をしていた。
「俺の知り合いじゃなくて真一郎の知り合い?」
(違うよ万次郎と仲が良かったんだよ)
忘れ去られているのかもしれない。
いや、違うここは真一郎が万次郎のことを救えた世界線なんだ。
「ごめんな、俺辛くて我慢できなくて…」
真一郎も涙を流しながら話す。やはり、万次郎は理解していなかった。私は少しずつ思い出せた。
その後私は手術をした。成功した。死にたくなるような大変なリハビリを乗り越え一人で歩けるようにまでなれた。 それでも一人では歩きたくない。大切な人と二人で歩きたい人生を。
「 赤ちゃんの名前どうする?」
「そうだなー…ホーク丸からとってホークとか!」
相変わらずのネーミングセンスについ笑ってしまう。
「なにそれ笑」
「名前は兄貴の俺が決めようか!」
「もっとヤバくなりそうだからだめ!」
万次郎と揃った。
今日も私と万次郎は幸せに過ごしている。
足りないものはもうない。文句1つない人生をこれから二人でつくっていくつもりだ。