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「ふたりで楽しそうなとこ悪いんだけど、この人のトコへ行ってくれる??ツテはあるからさ」
この人??
少女がポシェットから取り出した写真には、古風な装いの男性が映っていた。あまり悪い印象はない。”小洒落たカンジの芥川龍之介”という表現が正しいのかは、分からないが。そんな風貌だ。
「キミは来ないの??」
「・・あたしは、いい」
そんなわけで。僕らはメスガキに見送られ、鑑定士をやっているという。新手の陰陽師に会いにいくことになった。鑑定士をやっているという経歴の陰陽師には会ったことがないが。きっと、ヘンな品を集めるのが趣味の、変人に違いない。おなじ陰陽師だから、なんとなくわかる。・・こと、メスガキに至っては。なぜ“あたしは、いい”のかは、よくわからないが。深掘りは命取りになると、先の戦闘で“身に染みるほど”わかったので、あまり首を突っ込まないようにした。なんだかんだ、メスガキにはメスガキなりの事情があるのだろう。たぶん。
「成長したね?あいかわらず、“メスガキ“っていうのは治ってないけど」
・・なあ。鑑定士、役に立つかな??
「うーん・・わからない。けど、師匠の愛娘(マナムスメ)の推薦だし。間違いはないと思うよ」
四季町駅JSバスに揺られ、僕らはウトウト。夢現(ユメウツツ)のうちに。深く、暗いまぶたの内側に呑まれていった。
雪解けのような、ジワッとした“安堵感”が肩を伝って全身に流れていくような。心地良い時間が流れるままに身を任せ、ボクらは目を閉じた。
たまには、“ふたり”で寝るのも悪くないよね。