私、ナナには好きな人がいます。そう、これは私が白馬に乗った王子様とのラブラブなお話…が出来ると思って中学校に入ったのに…。そう、私のそばの男子は超が付くツンデレだ。デレてるとこあんまり見ないから正確にはツンツンデレくらい。今日も一緒に帰ってるんだけど、
「おい、早くしないとおいて帰るぞアホ」
いっつもこんな感じで…。彼、翔とは親同士が仲が良く、小さい頃からしょっちゅう遊んでた。小さい頃は優しかったのに今となってはツンデレとは…。
「聞いてんのか?今日親が出張だからお前んち行くんだからな?お前が遅いとどうにもならんわ、はよしr…」
「え、今日来るの!?」
そんなこと初めて聞いた。小学生の頃はしょっちゅう泊りもあったけど中校生だといろいろ気にしてしまうものもあるのに…。それに最近部屋片付けてないからやばい。翔にバレたらまたなんか言われるよ…。
「帰ってすぐ?」
「だからそう言ってんだろ、耳無いのか?」
「あるけど…」
ちょっとガキっぽい彼の性格は未だに変わらない。昔からちょっと鬱陶しいとこあるんだよね…。ってそれより片付けが…。
「…!翔!」
「あ?」
「ちょっと待っててくれないかな?その、準備…」
どうせ待ってはくれないだろうけど一応…
「いいに決まってんだろ、はよしろよ」
ほら、やっぱり…って
「え!?」
「は?」
「いや、良いんだって思って…」
「そりゃ人んち入れてもらうんだから当たり前だろ」
そういう常識はあるんかい…。っていうか待ってくれてる間に片付けないと、
「んじゃ五分くらい」
「わかった」
部屋に駆け込むと服だの教科書だの色んなものが散乱していた。最近は寝る以外のことを部屋でしてなかったから当然か…。
「お、こんなとこに…。」
小学校の卒アルがあった。あとで翔と見よう。
部屋が大方片付いたから翔を部屋に入れた。お母さんが今はいないから代わりにルイボスティーを淹れてあげた。翔は甘いの苦手だからノンシュガーで。翔は私の部屋の低めのテーブルで宿題をしている。たまに「んー」とか言ってるけど翔は頭がいい方だから大丈夫だと思ってる。
「なぁ、ナナ。」
「ナナ呼び珍しいね、どしたの?」
「あー。前言ってたセンパイとやらとは仲いいのか?」
センパイ?あぁ!明日香センパイのことかな?
「うん!仲いいよ?先週末も二人で買い物行ったの!」
「ふーん、何買ったの?」
やたらと聞いてくるよな。何考えてるんだ?
「部活のものとかだよ?別にこれといって何かあったわけじゃないし」
「そうか、ってかあれだな」
シャーペンを置いて急にこっちを向いたからちょっと焦った。けどいつもとはちょっと違う顔をしてた。
「俺が邪魔なら言えよ」
…?確かになんか鬱陶しいし邪魔なとこあるけど…。
「けど翔と居るの好きだよ!私は!」
「…っ!」
あからさまに照れた。こういうの可愛いんだよね。
「ナナ~。お風呂沸いたよ~」
「あ、すぐ降りるね!ママ!」
翔が下を向いてるから話も来てくれそうにない。仕方ないから覗き込んで言ってやった。
「一緒に入る?」
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