カフェから離れ、国道沿いの道を歩いていると何人ものパパ活軍団がいた。こんな、昼っぱらからお盛んなものだ。服装は女側はピンクのニットに黒のフリフリスカートで何が入っているのかよく分からない小さすぎるバックという在り来りな服装だった。パパ活女子ってみんな可哀想だよな、おっさん共に媚びて金を貰うという立派な仕事をしていて、自分の理想像を展開しているだけで気持ち悪いだとか否定的な意見を出されてしまうから。みんなは他人の理想像を否定するのはやめろよ。
何故か昼なのに薄暗く感じさせる所謂ホテル街。赤やピンク、水色、青、紫といった、如何にもな色とりどりの看板が歩く度に邪魔するのがなかなかに腹が立つ。普段平凡なる人生をまっとうしているはずなのに何故か女に関しては運が無い俺にとっては全く関係がない場所なだけに更にここの場所は腹立つ。
とにもかくにも、お目当てのビルが見えたのだからこの苛立ちは忘れるとしよう。相当大きなビルだと分かることから彼の人気が頷ける気がする。自動ドアが開き、中に入ると真っ青の絨毯に足が浸かったのがわかった。少し黒ずんでいるがそれも味だというものだろうか、点々と置いてある白のシンプルなソファが水の上に浮いているように見えてここがどう言った場所なのか語っているように感じさせられた。
真っ直ぐ歩いていくと、奥のドアの付近に立っていた2人の男が睨みを効かせてきた。恐らく、こっちを私服警官か何かだと思ったのだろう。伊達に強面と言われてないからな俺の顔。しかし、服装を見たら直ぐに別の方を向いてしまった。当たり前だこちとらシャツ1枚にユニクロの上着でジーパンだからな、さすがにダサすぎる。
カウンターに立っているスーツの男の目の前に立つと声をかけられた。
「当店の利用は初めてでしょうかお客様」
「そうですけど、、、ここって、男の人も選べるんすよね?」
「えぇ、もちろん。この時代男女差別なんて流行らないですからね。」
「全く、区別と差別の違いがはっきりしないこの時代には困ったものですよ。」
「ハハッ、お客さん中々に、この時代の痛いところをつきますね。貴方とは仲良くなりそうですよ」
「いつの時代も自分の意見を持つことは大切ですからね」
「仰る通りですよ、、、所でお客様。こちらのファイルにほぼ全ての女の子、男の子達がのっています。」
「あざす」
パラパラとページをめくる度にこちらを見つめてくる可愛いのだかブスなのだかよくわからん女と少数派な男。その中には、金髪やら真っ黒髪だとかはいたが、赤髪はなかなか見なかった。更に何枚かめくると真っ直ぐこちらを見る真っ赤な目があった。源氏名はリューマだった。
「おっさん、俺こいつがいい」
「その子は中々に高いですけど大丈夫ですか?」
お金なんてこんな、平凡男性にはまったくと言ってないが、まぁ、どうにかなるだろう。
「まぁ、大丈夫っす」
「それでは、向こうの扉から上にのぼり729号室に言ってください。」
「うっす」
先程の二人の男が守っている扉を通り、真っ赤なカーペットが敷かれている場所に着いた。するといくつもの部屋が要所要所にあることがわかった。エレベーターに上り7回まで上がり729号室の目の前に立った。そして、コンコンとかわいた木の音がするドアにノックをすると、扉が開き赤色の目が俺の瞳の裏まで覗いてきた。
今日は疲れたのでここまでです。