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何か胃もたれ・胸やけが酷いんだが、外に出れないほどでもないので、ファイト一発とポーション一気飲みで持ち直し、
異常空間対策局に足を向ける。
ここに来るのは冒険者登録の時以来だが、
さて、今日は何の為に呼び出されたのだか……
まぁ、出頭の前に窓口で小野麗尾組の若衆の召喚許可証の申請を。
公式ショップで買った時はその場で召喚機にセットするついでに申請出来たんだが。
目の下に隈が出来ている受付のお姉さんが書類と俺を2度見したのは何故だ。
慌ててどこかに電話をかけた後、応接室らしき場所に通されて高そうなお茶と菓子を出されたが。
え?これ頂いて良いの?後から黒服着た強面のお兄さん達に何十万円の領収書突きつけられない?
あ、ソファーの座り心地が最高に良い………スヤァ……
ガチャ!
ビクッ!?
突然ドアが開いた音で目が覚める。
危ない。疲れが残っていたのか、完全に寝入っていた……
此処が黄泉ならHUUMAに寝首を掻かれていたかもしれん。
気を抜き過ぎだろう、俺……
「IGAとKOUGAから学んだのか、HUUMAより先に……」とかトチ狂った妄言と共に襲撃を繰り返すようになった狂人集団の事は置いておいて。
「いやぁ、大変お待たせいたしました。私、異常空間対策局〇×分局の局長を務めております、板挟見 軋三(いたばさみ きしみ)と申します。本来なら我々がお伺いしなければいけない所を、本日はわざわざこちらまで足を運んでいただいて……おや、お茶は御口に合いませんでしたかな?」
「いえ、恐れながらこの様に歓待される理由に心当たりがありませんでしたので、つい遠慮を」
おや……微妙にアンジャッシュの気配が。
「遠慮などとんでもございません!こちらの都合で先のスタンピードの報酬もまだお渡しできずにいるというのに」
まだって……昨日の話やぞ!
「まだ、と仰られますが、普通もっと算定と検討に時間が掛かるものでは?本日は別件でのお話かと思っていたのですが」
黄泉大毘売命とか、黄泉大毘売命とか……
「いえ、近年ではAIの導入により、それらの作業の効率化が行われているため、ケースによっては当日中の清算も珍しくはございません。それで今回御時間を頂いております理由ですが、正直に申し上げまして、小野麗尾様の今回の貢献度合いが大きすぎたのと、それに伴う報酬が莫大でございましたので」
「16歳の未成年に渡すのはどうか、と?」
「いえ、そういう声が無かった訳でも無いのですが、ドロップ品が問題になりまして」
「ジャンヌ・ダルクのソウルカードが国際問題になりかねないのは承知していますが、他にも何か?」
「はい、一番の問題がその件であるのは間違いないのですが、他のドロップその他も……」
そう言って鞄から取り出された一枚の書類には、
Dランク冒険者 小野麗尾 守殿への褒賞一覧
対IFL討伐参加基本報酬 1,000,000
対IFL討伐貢献算定報酬 45,000,000
対IFL討伐ノーマルドロップ品換算算定報酬 30,000,000
ソウルカード:ジャンヌ・ダルク
魔導書:レメゲトン
オーブ:冥府魔導耐性
オーブ:天地崩壊魔導
旭日単光章の授与
とある。
あった。(震え声
「どうだろうか、内容に何か不満でも?」
「いいいええええええ、あああ余りにもベリーかつメニーな報酬で」
思考回と言語機能路がバグってしまう。
「すいません。取り乱しました」
正直まだ、立て直しはできていない。
気持ちを落ち着けるため、温くなったお茶をすする。ズズー……お茶ウマー……
「金銭に関しては本日中に振り込みを行わせていただきますが、残りのアイテム類は本日お持ち帰りになられますか?」
「ええ、今こちらにあるのでしたら」
「わかりました。それではさっそく、と言いたい所ですが二つ警告を。魔導書:レメゲトンですが、こちらは悪魔召喚を行える書物なのですが、スキル:冥府魔導耐性が無い方が内容を読もうとした場合、精神に著しい影響が発生する事が見込まれます。
書の閲覧の前にはオーブ:冥府魔導耐性のご使用をお忘れなく。また、ご存じないかもしれませんのでお知らせいたしますが、天地崩壊魔導を取得された、もしくは召喚モンスターに習得させた場合は、防衛軍への届け出が必要になりますので、恐れ入りますが、その時はまたこちらにお越しいただければ……」
「承知しました。それで、最後の旭日単光章の授与とは……」
「はい、小野麗尾様のこの度の国家・公共への功労が著しい物と認められ……」
「で、本当の所はどうなんです?」
「他所の国に先にやられると、国家の面子が……」
「そうですよね、そうでなければこんな若造に勲章とか!?」
「余りご自分を卑下なさらない方が良いですよ。少なくとも人口密集地でスタンピードが発生した事例の中でも今回のように被害が圧倒的に少なかった事例は、私の知る限りでも他に類を見ません。天狗になるのは宜しくないが、貴方はもっと自分に自信をもって良い。
少なくとも今回〇×市は貴がのお陰で救われたと言っても決して過言ではありません」
随分と持ち上げて来るなぁ……
まぁ、いいか。好感触ならこっちもイロイロ話しやすい。
「ははっ。あんまり褒めると鼻が伸びてしまいますよ。それ程に評価していただけるなら、ご相談したい事が……」
30分後
「では、この件に関しましては本庁に持ち帰りまして検討させて頂きます」
「はい、ご迷惑をお掛け致しますが宜しくお願い致します」
結構前向きに話を聞いてもらえた。案件が通れば休校中の稼ぎ場の確保が……
それにしても7千6百万円とか実感湧かないなぁ。
まずは借金返して、黄泉戦人へペリカ払って、魚屋の仕入れと呑兵衛共の宴会代と……
あ、白須等神社に予約入れとかないと。
で、連絡を入れた所、もう準備は出来ていますと言う心強いお話が。県庁冒険者支援課の役所さんが、昨日の内に手配してくれていたとの事。
お役所仕事ってすごい、と思いました まる