TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
本気になってはいけない恋

一覧ページ

「本気になってはいけない恋」のメインビジュアル

本気になってはいけない恋

171 - 第171話   幸せなプレゼント⑪

♥

19

2024年06月17日

シェアするシェアする
報告する




それから樹と二人でガーデンパーティーの場所へと移動。

今度は隣の敷地の庭にまた素敵すぎるガーデンパーティーの会場。


「どう?こっちもいい感じでしょ?」


それを見て隣で樹が声をかけて来る。


「これも三輪さんメインでやってくれたんだよね。あと北見さんもいろいろと相談乗ってもらった」

「仕事もあったのにこんなのいつの間に・・・」

「それはさ。ホラうちの会社だからなんとでも。三輪さんも透子の為ならってホント頑張ってくれたんだよね」

「そっか・・。嬉しい」


こんなに華やかで素敵な会場にしてくれてありがとう。

主役の私が知らない間に、樹も周りの皆も協力してくれて、今こんなに素敵な場所を用意してもらえて。


「透子ちゃん」


すると、名前を呼ばれて振り返ると。


「ハルくん!」

「透子ちゃん。おめでとう」


弟のハルくんが来てくれていて、笑顔で祝福してくれる。


「ハルくん。ありがとう。今日のこと私本人が知らなかったから、家族のハルくんにも伝えられてなくて。なのに、まさかハルくんもお母さんもいてビックリしたよ」

「うん。今日は皆で透子ちゃんへのサプライズだったからさ」

「透子。ここに用意されてる料理。ハルと透子のお義母さんが一緒に準備してくれたんだ」

「二人でこんなに!?」


花と緑に囲まれたテーブルに可愛くてオシャレなブッフェスタイルの美味しそうな料理が数々並んでる。


「透子ちゃんを自分の料理でお祝い出来るなんて、そんな嬉しいことないよね」

「そっか~。ハルくんとお母さんで作ってくれたんだ~」


ハルくんとお母さんまでこんな嬉しいプレゼントくれるんだね。


「お母さんは?」

「樹さんのお義母さんと楽しそうに話してるよ。昔の思い出話に盛り上がってるみたい」


二人の姿を探してみると、二人で楽しそうに笑っている姿が見える。


そうだよね。

二人は私たちが出会ってない時から、顔見知りだったんだもんね。

その当時はハルくんも樹もあんなに小さかったのにな。

今は樹は私の旦那様として、こんなに素敵になって側にいてくれる。

そしてハルくんも今は立派な料理人。


「お店どう?順調?」

「うん。ようやく父さんと母さんの店を継ぐこと出来たから、これからは父さんのこの味をもっとたくさんの人に広めなきゃね」


そう。ハルくんは今までずっとあのお店で修行をしてたけど、つい最近自信も持てて母を楽にさせてあげたいと、ハルくんは前のお店を辞めて、母の店を継いだ。


「最近よくハルくんSNSや雑誌で見るよ」


そして今では若い子の中でも話題になるほどの人気になっている。

我が弟ながら可愛いビジュアルをしていて、料理の腕前は星がついたお店で若い頃から修行していたおかげでなかなかの腕前。

それが老舗のリーズナブルなお店でその料理が食べれるというのもあって、いつからか話題のお店とシェフになっていた。

だけどハルくんは大好きだったお父さんの味もちゃんと守り続けている。


「話題になってたくさんお店に食べに来てもらえるならオレはそれで嬉しいよ」

「うん。お父さんとお母さんとハルくんの味。これからもたくさんの人に食べてもらって幸せになってほしい」


きっとお父さんも喜んでるね。

ずっとお母さんとハルくんが、このお店をお父さんの味を、大切にしてくれて。

きっとこの家族の幸せはお父さんが導いてくれたんだね。


「じゃあ、ちょっとオレ他の料理も準備してくるね」

「ごめんね。ゆっくりしてもらいたいのに」

「気にしないで。オレも今日は透子ちゃんのようにオレの料理で皆に幸せになってもらえたら嬉しいんだからさ。透子ちゃんもちゃんと食べてね!」

「わかった。ありがと、ハルくん」


ハルくんは笑顔で手を振りながらその場を後にする。


「樹。ハルくんたちにも声かけてくれてたんだね」

「もちろん。ハルは声かけた時すごく喜んでくれてさ。最近店も人気で忙しいけど、今日は臨時休業にしてくれた。透子の為ならって」

「嬉しいよね。家族にもこんな風にお祝いしてもらえるなんて。ありがとう樹」


ハルくんやお母さんにも知らない間に樹が声をかけてくれたんだね。

こんなにマメな人だったなんて改めて知った。


私の知らないところで樹はどれだけの人に声をかけてくれたんだろう。

樹も自分の仕事が大変なはずなのに、いつからこんなに大掛かりな計画してくれてたんだろう。

一人一人声かけるのももちろん大変だし、皆にそれぞれお願いして調整して。

一緒に暮らしてるのに、ずっと一緒にいるのに全然気付きもしなかったな、そんなこと。

また今日という日に、気配りが出来て、どこまでも優しい樹の魅力を実感する。


樹にはいつだって、私と出会った時から、ずっと秘密にされて驚かされてばかり。

でも、それもいつだって、私のことを想ってしてくれていたこと。

私が気づかなくても、決して樹はその秘密を明かさない。

来るべき時が来るその時まで、必ず私が幸せだと思える時まで、必ず樹は秘密にしてくれた。

それはきっともしかしたら、私がずっと気づかなかったとしても。

きっとそれでも樹は、自分を信じて、私を信じて、そして運命を信じて、待ち続けてくれたのだと思う。


だけど、きっと。

樹は必ずそれを実現してくれる人。

そして、私はその幸せに気づく度に、こうやって樹がくれる愛に満たされて、樹への愛が溢れて止まらなくなるのだろう。

loading

この作品はいかがでしたか?

19

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚