紙を捲る作業的な音、横目で君の真剣な横顔を見つめる。
「…なんやねん……。こっち見とる暇あったらはよ作業しろよ……」
こちらの視線に気がついたトントンはジト目で作業を促してくる。
手元に目をおろすと未だ白紙の書類がずっしりと並んでいる。
これが終わるのはいつになるんだろう……。その事を考えると冷や汗が滲み出てくる。
「ん、大先生。どれくらい出来たん?」
「あー、えっと……進捗6割です」
「嘘つけ。まだ2割も終わってへんやろ」
トントンらむすっと頬を膨らませて、
「……はぁ〜、もう。しゃーなしな。今回だけ手伝ったる。」
「まじで?いや〜、やっぱトン氏最高っすわ」
「……思ってない癖に」
「いやいや、マジやって」
実際、トントンには何度もお世話になっているし、信頼もしている。
「俺ほんまにトントンに嘘ついたことないから」
「大先生1回病院行った方がいいで」
……なにも言い返せなかった。
-それから約数時間後ー
「っ〜…!あー!やっと終わったあぁー……。」
「…お疲れ様……だい…せ…zz…。」
山のように積もっていた書類は今はきっちり書き込まれて整理されている。
窓に映った景色は暗く、トントンが眠ってしまうのも無理はない。
椅子に掛けて合ったひざ掛けを手に取ってトントンに優しく掛ける。
この後は少しシャワーを浴びて俺も寝ようかな。
トントンの寝顔を眺める。
俺もきっと目の下にクマができてしまっているだろう。
俺はトントンの頬を撫でて、しっかりした髪をすくい上げた。
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