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第3話
nmmn
rimn
付き合っていて同棲している設定
R18シーンなし
第2話の続き
ひたすらにほのぼのあまあまです
夜の配信が終わると、二人はほっとしたように同時に椅子から立ち上がった。
隣の部屋へ移動して、ソファに並んで腰を下ろす。テーブルの上には、ポップコーンと缶ジュース。画面には配信ではなく、見慣れた映画のサムネイルが映っていた。
「なぁ、これ見るん? また?」
「うん。俺、何回でも見れる」
「ライほんま同じのばっか見たがるよなぁ」
「だって、マナが横にいると映画の内容よりマナの反応のほうが楽しいんだもん」
わざとらしく肩をすり寄せると、マナは「お前なぁ……」と呆れた声を出しつつも、ソファから逃げようとはしなかった。むしろ、少しだけ姿勢を崩し、ライの胸にもたれる。
映画が始まる。しばらくは無言で画面を見ていたが、途中でマナが小声で突っ込む。
「今の動き、絶対無理あるやろ」
「そういうツッコミがいちいち可愛いんだよな」
「映画ちゃうとこに夢中になるな!」
声を荒げながらも、マナの口元には笑みが浮かんでいた。
やがてポップコーンをつまもうとした手が、ライの指と重なる。二人は同時に「……」と動きを止め、目を合わせる。
「……取れよ」
「いや、マナが先でいいよ」
「こういうとき譲り合うなや」
結局、ふたりの手が重なったまま離れず、くすぐったい沈黙が落ちた。ライがふっと笑って、マナの指を握る。
「……なにしてんねん」
「恋人っぽいこと」
「配信終わってもカッコつけんでええのに……」
呟いたマナの声は、どこか嬉しそうだった。
画面では派手なアクションシーンが繰り広げられていたが、ライにとっては隣で赤くなるマナの横顔のほうがずっと大事だった。
「なぁ、マナ」
「ん?」
「これからも、ずっと一緒にいような」
「……せやな。ライがおらんと、俺、絶対寂しなる」
ソファの上で、二人は自然と寄り添う。絡めた手は離れず、映画が終わる頃には、マナの頭はライの膝の上にすっかり落ち着いていた。
「……寝た?」
「寝てへん……」
「嘘。今、声ふにゃってた」
「……ライの声、落ち着くんやもん」
くぐもった返事に、ライは小さく笑い、マナの髪を撫でた。
――秘密はもうない。
日常のひとつひとつが、恋人同士として過ごせるかけがえのない時間になっていた。