その後、ちゃんと通常に戻れたでしょうか?って戻れるわけないよね。
それから仕事やなにかで涼ちゃんに会うと普通にワイワイやってる時は大丈夫なのだが2人きりになると恥ずかし過ぎてつい目線をそらしてしまうようになっていた。
しばらく時間が経ち、状況は落ち着いてきたのかというと…正直あまり変化はなかった。というも、あれから毎日のようにあの日の事を夢に見てしまうのだ。
どこの欲求不満の高校生だよ、と自分で笑いたくなってしまうくらい毎日毎日…おかげで少し寝不足気味だ。
それになんでだろう。今までなんとも思わなかった涼ちゃんの優しい笑顔や拗ねたような仕草にドキッとしたりしてしまう。
今もFC用の撮影中に涼ちゃんがいつも通り噛んだ事を必要以上にいじり倒してしまい、素知らぬ顔をしながらも、拗ねて天を仰いで叫んでいる姿にまでドキドキしてしまっている自分がいた。
「おい元貴、今日はちょっと涼ちゃんイジリすぎ。こんなんじゃまたSNSに涼ちゃんかわいそうだなんだって書かれちゃうぞ」
撮影終了後に若井に注意される。
「あー、確かについ調子に乗りすぎちゃったかも。ごめんね」
「いいよ〜。俺のキャラなんていじられてなんぼだからね」
そう言って優しく笑う涼ちゃんにほっこりする。
いつも通りの涼ちゃん。
それなのに俺の胸はドキドキと鼓動を刻みだす。
この気持ちがなんなのか自分でもよくわからない。
今もボーっと涼ちゃんの後ろ姿を見ながら、涼ちゃんってスタイルいいよなぁ、それにあのお尻…とまで考えた時にちょうど涼ちゃんが振り返り、慌てて視線をそらす。
俺、今何考えてたんだよ。赤くなった顔を見られないようにサッとその場を立ち去る。
涼ちゃんからは今までと同じように振る舞って欲しいと言われてたのにこんなんじゃ周りにあやしまれてしまう。
とにかく気を引き締めないと。
涼ちゃんは今までとなんら変わりはないのだから俺が気をつければいいだけ。
どうやら俺はこんなにも振り回されてるのに、涼ちゃんの中ではあの夜の事はスッパリとなかった事にされたようだ。
あまりの涼ちゃんの今までと変わらない態度に虚しさを覚えてしまう…。
なぜ以前と変わりのない涼ちゃんの態度がこんなにも虚しいんだろう?
なぜこんなにも涼ちゃんの事が気になって仕方ないんだろう?
考えれば考えるほどなにか気づいてはいけない事に気づいてしまいそうな不安がおそってくる。
そうだ。新曲の作成をしよう。とりあえずこのわけのわからない気持ちは一旦心の箱に詰め込んで見て見ぬふりをしよう。そうこうしているうちに記憶は薄れてくれるかもしれない。
その日から俺は何も考えなくて済むようにひたすら新曲の作成にとりかかった。
もっくん必死で意識しないようにがんばってますが、なかなかうまくいなかいようです。
無意識のうちにその人の事を考えてしまう。気がついたらその人を目で追ってしまっている。
恋愛の初期症状ですね🤭
コメント
12件
それを人は恋と呼ぶ…❤️
振り回されてますね…。✨ かなり重症です…。 続きが楽しみです♪
それは恋だよもっくん…🤣 もっくんはついに足を踏み入れては行けない所に踏み入れてしまったな、いいぞ!もっと踏み込め!